2010.03.29
一人で読めて大抵のことは載っている教科書への助走=子供の本は大人の味方+新書で補う


というリクエストがあったのだけど、それらも含めて一人で読めて大抵のことは載っている教科書(追記あり) 読書猿Classic: between / beyond readers


最初は「子供の本は大人の味方」というタイトルで考えてたのだけれど、ちょっと子供の本だけではカバーしきれなくなったので、タイトルは変更された(ちくまプリマー新書が、思った以上に使えねえ、のが一因)。
あと「子どもの本は(意外に?)高い」のも気になった。
「これ1冊」というならそれでも良いが、多分野に渡るとなると、どうしても冊数が増える。
たとえば『ポプラディア』は「調べ学習をサポートする」というコンセプトの、子供向け百科事典だが、付属のビデオが「はじめての図書館」していて、なかなか出来が良い。だが、別売はしておらず、全部買うとなると。10万円を超える。大人用の百科事典(パソコンで引ける)でも3万円くらいなのに、
という訳で、「子供の本」という方針は貫徹できなかったが、新書を中心に安くまとめてみた。
総記
![]() | なんでも!いっぱい!こども大図鑑 (2009/11/10) ジュリー・フェリス他 商品詳細を見る |
……世界16カ国で刊行の「自然」「ヒトのからだ」「科学と技術」「宇宙」「地球」「人びととくらし」「歴史」「芸術と文化」という幅広い分野を1冊で網羅しようとする百科図鑑。
![]() | いま、この研究がおもしろい (岩波ジュニア新書) (2005/06) 岩波書店編集部 商品詳細を見る |
![]() | いま、この研究がおもしろい〈Part 2〉 (岩波ジュニア新書) (2007/11) 岩波書店編集部 商品詳細を見る |
読み書き
![]() | なぜ国語を学ぶのか (岩波ジュニア新書) (2001/09) 村上 慎一 商品詳細を見る |
![]() | 論理的に考えること (岩波ジュニア新書) (1985/08) 山下 正男 商品詳細を見る |
![]() | 目と耳と足を鍛える技術―初心者からプロまで役立つノンフィクション入門 (ちくまプリマー新書) (2008/11) 佐野 眞一 商品詳細を見る |
![]() | 常用漢字ミラクルマスター辞典 (1998/03) 加納 喜光 商品詳細を見る |
……ドラえもんが表紙の、常用漢字の範囲内なら最強の漢和辞典。「語源順」という類書に無い配列法により、音符・字源が共通する漢字が隣接するよう絶妙に配列。漢字をイモヅル式に学べる。複数の熟語(括弧書きで意味記載)を含んだ用例文とドラえもんキャラ登場の用例漫画付き。
図書館
![]() | 図書館へ行こう (岩波ジュニア新書) (2003/01) 田中 共子 商品詳細を見る |
![]() | 調べ学習の基礎の基礎―だれでもできる赤木かん子の魔法の図書館学 (2006/03) 赤木 かん子 商品詳細を見る |
数学
![]() | 数学がおもしろくなる12話 (岩波ジュニア新書) (1986/06) 片山 孝次 商品詳細を見る |
![]() | マンガ おはなし数学史 (ブルーバックス) (2000/12/20) 佐々木 ケン 商品詳細を見る |
![]() | マンガ幾何入門 (ブルーバックス) (1996/09/20) 岡部 恒治藤岡 文世 商品詳細を見る |
![]() | マンガ・微積分入門 (ブルーバックス) (1994/02/15) 岡部 恒治 商品詳細を見る |
![]() | マンガ・数学小事典 (ブルーバックス) (1988/01/18) 岡部 恒治 商品詳細を見る |
自然科学
![]() | 三訂版 スーパー理科事典 普及版 (2006/07/20) 石井忠浩 商品詳細を見る |
……自然科学(理科)で何か一冊というなら、これ。さまざまな問いかけを目次にした、問題解決型理科事典!!
![]() | 科学の考え方・学び方 (岩波ジュニア新書) (1996/06) 池内 了 商品詳細を見る |
![]() | 宇宙と生命の起源―ビッグバンから人類誕生まで (岩波ジュニア新書) (2004/07) 嶺重 慎小久保 英一郎 商品詳細を見る |
![]() | 歴史を動かした発明―小さな技術史事典 (岩波ジュニア新書 64) (1983/01) 平田 寛 商品詳細を見る |
物理学
![]() | マンガ 物理に強くなる (ブルーバックス) (2008/08/21) 関口 知彦 (原作) 商品詳細を見る |
![]() | アインシュタインが考えたこと (岩波ジュニア新書) (1981/01) 佐藤 文隆 商品詳細を見る |
![]() | マンガ量子論入門 (ブルーバックス) (2000/07/19) ヨセフ・マッケヴォイオスカー・サラーティ 商品詳細を見る |
![]() | 物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書) (1979/01) 朝永 振一郎 商品詳細を見る |
![]() | 物理学とは何だろうか 下 岩波新書 黄版 86 (1979/01) 朝永 振一郎 商品詳細を見る |
……すばらしすぎて落とせない。
化学
![]() | 実験大好き! 化学はおもしろい (岩波ジュニア新書) (2003/07/19) 盛口 襄 商品詳細を見る |
![]() | マンガ 化学式に強くなる (ブルーバックス) (2001/06/20) 鈴木 みそ 商品詳細を見る |
生物学
![]() | 進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323)) (1999/06) 長谷川 真理子 商品詳細を見る |
![]() | 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) (2007/05/18) 福岡 伸一 商品詳細を見る |
医学
![]() | 医療のこと、もっと知ってほしい (岩波ジュニア新書) (2009/10/21) 山岡 淳一郎 商品詳細を見る |
![]() | 医学史と数学史の対話―試錬の中の科学と医学 (中公新書) (1992/11) 川喜田 愛郎佐々木 力 商品詳細を見る |
人類学
![]() | 人間はどこまで動物か (新潮文庫) (2006/11) 日高 敏隆 商品詳細を見る |
![]() | 文化人類学への招待 (岩波新書 黄版 204) (1982/01) 山口 昌男 商品詳細を見る |
心理学
![]() | マンガ 心理学入門 (ブルーバックス) (2001/03/19) ナイジェル.C・ベンソン 商品詳細を見る |
![]() | 心理学で何がわかるか (ちくま新書) (2009/09) 村上 宣寛 商品詳細を見る |
……例によって、半分は毒になる本。最初の方と最後がひどい。後は良く書けてるので困るが、あげてみた。
言語学
![]() | 言語学的にいえば…―ことばにまつわる「常識」をくつがえす (2003/01) ローリー バウワー、 商品詳細を見る |
経済学
![]() | 市場(スーク)の中の女の子 (2004/10/21) 松井 彰彦 商品詳細を見る |
![]() | 新装版 レモンをお金にかえる法 (2005/05/21) ルイズ・アームストロング 商品詳細を見る |
![]() | 新装版 続・レモンをお金にかえる法 (2005/05/21) ルイズ・アームストロング 商品詳細を見る |
![]() | 景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書) (2008/10) 岩田 規久男 商品詳細を見る |
![]() | 財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書) (2007/06) 神野 直彦 商品詳細を見る |
![]() | 15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか? (2009/04/17) 慎 泰俊 商品詳細を見る |
法学
![]() | ルールはなぜあるのだろう―スポーツから法を考える (岩波ジュニア新書) (2008/12) 大村 敦志 商品詳細を見る |
![]() | 中高生のための憲法教室 (岩波ジュニア新書) (2009/01) 伊藤 真 商品詳細を見る |
政治学
![]() | 政治のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書) (2009/07) 山口 二郎 商品詳細を見る |
![]() | 行政ってなんだろう (岩波ジュニア新書) (2008/02) 新藤 宗幸 商品詳細を見る |
![]() | 失敗の愛国心 (よりみちパン!セ 34) (2008/03/21) 鈴木 邦男 商品詳細を見る |
社会学
![]() | 社会学にできること (ちくまプリマー新書) (2009/11) 西研、菅野仁 商品詳細を見る |
教育学
![]() | 教育幻想 クールティーチャー宣言 (ちくまプリマー新書) (2010/03/10) 菅野 仁 商品詳細を見る |
宗教学
![]() | 世界の宗教―世界史・日本史の理解に (1980年) (岩波ジュニア新書) (1980/03) 村上 重良 商品詳細を見る |
![]() | ものがたり宗教史 (ちくまプリマー新書) (2009/08) 浅野 典夫 商品詳細を見る |
地理学
![]() | データブック 世界各国地理 (岩波ジュニア新書) (2004/10) 竹内 啓一 商品詳細を見る |
![]() | 世界の国ぐに 探検大図鑑 (2004/12/04) 小学館 商品詳細を見る |
![]() | げんきなマドレーヌ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) (1972/11/01) ルドウィッヒ・ベーメルマンス 商品詳細を見る |
![]() | カロリーヌつきへいく (カロリーヌとゆかいな8ひき) (1998/11) ピエール プロブスト 商品詳細を見る |
歴史
![]() | 日本の歴史がわかる (1) 縄文時代~室町時代 ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの社会科おもしろ攻略 (1994/11) 三谷 幸広 商品詳細を見る |
![]() | 日本の歴史がわかる〈2 戦国時代~平成時代〉―ドラえもんの社会科おもしろ攻略 (ドラえもんの学習シリーズ) (1994/11) 村田 ヒロシ 商品詳細を見る |
![]() | 日本社会の誕生―日本の歴史〈1〉 (岩波ジュニア新書) (1999/09) 吉村 武彦 商品詳細を見る |
![]() | 日本の現代―日本の歴史〈9〉 (岩波ジュニア新書) (2000/06) 鹿野 政直 商品詳細を見る |
……『日本の歴史 全9巻』(岩波ジュニア新書)
![]() | カレンダ-世界史―一日一史話 (岩波ジュニア新書 55) (1982/01) 柴田 三千雄 商品詳細を見る |
哲学
![]() | ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書) (2003/07/19) 岩田 靖夫 商品詳細を見る |
芸術
![]() | 目玉の学校 (ちくまプリマー新書) (2005/11) 赤瀬川 原平 商品詳細を見る |
音楽
![]() | ドラえもんの音楽おもしろ攻略 楽ふがよめる (ドラえもんの学習シリーズ) (1999/05) 八木 正一 商品詳細を見る |
……最も若い人(子供)をターゲットにした楽典。
![]() | 音楽の基礎 (岩波新書) (1971/08) 芥川 也寸志 商品詳細を見る |
![]() | 夢みるクラシック交響曲入門 (ちくまプリマー新書) (2006/10) 吉松 隆 商品詳細を見る |
建築
![]() | 人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書) (2005/05) 藤森 照信 商品詳細を見る |
絵画
![]() | 巨匠に教わる絵画の見かた (1996/10) 視覚デザイン研究所 商品詳細を見る |
![]() | イメージを読む―美術史入門 (ちくまプリマーブックス) (1993/01) 若桑 みどり 商品詳細を見る |
写真
![]() | 写真の読みかた (岩波新書 青版 505) (1963/11) 名取 洋之助 商品詳細を見る |
![]() | 写真美術館へようこそ (講談社現代新書) (1996/02/20) 飯沢 耕太郎 商品詳細を見る |
映画
![]() | 淀川長治映画塾 (講談社文庫) (1995/02) 淀川 長治 商品詳細を見る |
演劇
![]() | 演劇入門 (講談社現代新書) (1998/10/20) 平田 オリザ 商品詳細を見る |
落語
![]() | 落語と私 (文春文庫) (1986/03) 桂 米朝 商品詳細を見る |
…元ポプラ社刊。中高生向けに書かれた落語入門。すばらしい。
文学
![]() | 物語の役割 (ちくまプリマー新書) (2007/02) 小川 洋子 商品詳細を見る |
![]() | 一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786)) (2002/06) 高橋 源一郎 商品詳細を見る |
(関連記事)
子供の辞典は、今さら聞けない大人の味方である(英語篇) 読書猿Classic: between / beyond readers

一人で読めて大抵のことは載っている教科書(追記あり) 読書猿Classic: between / beyond readers

一人で読めて大抵のことは載っている教科書(洋書編):数学からラテン語まで 読書猿Classic: between / beyond readers

一人で読めて大抵のことは載っている教科書への助走=子供の本は大人の味方+新書で補う 読書猿Classic: between / beyond readers

読書猿Classic: between / beyond readers ○○学史で,○○学を,ざっくり学ぶ

読書猿Classic 数学にはネイティブはいない:「語学としての数学」完全攻略=風景+写経アプローチ

読書猿Classic 数学にはネイティブはいない:「語学としての数学」完全攻略、その後

読書猿Classic ゼロから科学再挑戦→最終兵器は「理科離れ」の国にあった!!

2010.03.28
研究するものたち(studentes)に必要な3つのこと
「三つのことがらが研究するものたち(studentes)に必要である。
一つは素質(natura)であり、一つは修練(exercitium)であり、一つは学修(disciplina)である。
「素質」という言葉において考えられていることは、耳にしたことがらの意味をたやすくつかむということであり、つかんだことがらをしっかりと保持するということである。
「修練」という言葉において考えられていることは、うまずたゆまず、持って生まれた天稟を耕しつくすということである。
「学修」という言葉において考えられていることは、称賛に値するしかたで生きながら、日々の行ない(mores)を学知(scientia)と結合するということである。」
(HUGONIS DE SANCTO VICTORE(サン・ヴィクトルのフーゴー), DIDASCALICON(邦訳『ディダスカリコン(学習論)――読解の研究について』中世思想原典集成第9巻、平凡社)
CAPUT VI
Tria sunt studentibus necessaria: natura, exercitium, disciplina. in natura consideratur ut facile audita percipiat et percepta firmiter retineat; in exercitio, ut labore et sedulitate naturalem sensum excolat; in disciplina, ut laudabiliter vivens mores cum scientia componat. de his tribus per singula modo introductionis pauca perstringemus.
(HUGONIS DE SANCTO VICTORE, DIDASCALICON, LIBER TERTIUS http://www.thelatinlibrary.com/hugo/hugo3.html )
一つは素質(natura)であり、一つは修練(exercitium)であり、一つは学修(disciplina)である。
「素質」という言葉において考えられていることは、耳にしたことがらの意味をたやすくつかむということであり、つかんだことがらをしっかりと保持するということである。
「修練」という言葉において考えられていることは、うまずたゆまず、持って生まれた天稟を耕しつくすということである。
「学修」という言葉において考えられていることは、称賛に値するしかたで生きながら、日々の行ない(mores)を学知(scientia)と結合するということである。」
(HUGONIS DE SANCTO VICTORE(サン・ヴィクトルのフーゴー), DIDASCALICON(邦訳『ディダスカリコン(学習論)――読解の研究について』中世思想原典集成第9巻、平凡社)
CAPUT VI
Tria sunt studentibus necessaria: natura, exercitium, disciplina. in natura consideratur ut facile audita percipiat et percepta firmiter retineat; in exercitio, ut labore et sedulitate naturalem sensum excolat; in disciplina, ut laudabiliter vivens mores cum scientia componat. de his tribus per singula modo introductionis pauca perstringemus.
(HUGONIS DE SANCTO VICTORE, DIDASCALICON, LIBER TERTIUS http://www.thelatinlibrary.com/hugo/hugo3.html )
![]() | サン=ヴィクトル学派 (中世思想原典集成) (1996/01) 上智大学中世思想研究所 商品詳細を見る |
![]() | テクストのぶどう畑で (叢書・ウニベルシタス) (1995/01) イヴァン イリイチ 商品詳細を見る |
2010.03.27
家で辞書を引いてくる《予習》は単語を覚える役に立たない
外国語の勉強で「わからない単語」に出会ったら辞書を引く、なんてことは当たり前で疑う余地もないと思うだろう。
けれど単語を覚える(語彙習得)という点からすれば、「わからない単語」に出会ったら辞書を引く、というのは,実はあまり役に立たない。
辞書を引けば、簡単に「日本語での意味」がわかる。
しかし、簡単に「わかってしまった」単語は、定着しないのだ。
そして、かなり多くの学習者が、「辞書は日本語訳だけを調べるツール」としてしか認識していない。
単語を覚えるなら、初見の段階では、もっとアタマに負荷をかけることをした方が良い。いわゆる「深い処理」という奴だ。
そして、その後の復習は、高速で思い出すのが効果的だ。フラッシュ・カードはこのために用いる。
復習の間隔は、次第に開けていくといい。次の日、一週間後、一ヶ月後……といった風にだ。これをspaced repetition、あるいはspaced rehearsal, expanding rehearsal, graduated intervals, repetition spacing, repetition scheduling, spaced retrieval and expanded retrieval などと言う(http://en.wikipedia.org/wiki/Spaced_repetition)。
さて、問題は、初見の段階でやるといい「深い処理」の方である。
効果の高い方法は、それだけ負荷も高い。
一言で言えば、めんどうくさい。
当たり前だが、簡単にすませる方法よりも時間がかかる。
だが、本当なら、かけた時間×定着度、という尺度で「時間がかかる」かどうかは判断すべきだろう。さっさと「覚えた気」になっても、身に付いてないなら、節約した時間の意味は無いからだ。
できるだけ「めんどうくさい」やり方から、いくつか並べてみる。
(1)巨大な単語カードをつくる
巨大といっても,畳1枚分も必要ない。
B5かA4サイズのルーズリーフで十分だ。
ルーズリーフの表に、バカみたいなデカイ字で、出会ったばかりの単語(ほかに熟語や慣用句などの表現でも同じ手が使える)のスペルを書く。表はこれだけでいい。
裏には、その単語について、あらゆる情報を書く、描く。
辞書の情報をできるだけ、写し取る。これまで「捨てて来た」辞書の情報がいかに多いかが分かり、しかも記憶の定着にも役立つ。
発音とアクセントは必須。
意味は日本語でいい。慣れない言語だと、頭の中の辞書=メンタル・レキシコンは母語のネットワークを頼りに成長するからだ。
品詞もわざわざ書く。
例文ももちろん書く(これはできたら、当該の単語の部分は( )であけておくといい)
メンタル・レキシコンを成長させるために、訳語(日本語の意味)から、連想するコトバ、類義語を日本語で良いから書いておく。
自己関与が高いほど、単語の定着度は高い。辞書から例文を選んだら、その主語/目的語を自分に置き換えて、例文を改変して書く。
辞書の絵、ピクチャー・ディクショナリの絵、ネットで探した写真なども、カードの裏に描く/貼る。絵のうまい/ヘタにかかわらず、自分で絵を描くと、ほぼ一発で、その単語は覚えられる。当然、時間はかかるし、めんどうだが、そこがよい。
カードの形態なので、復習時は、フラッシュ・カードとして使える。
カードを見て、一瞬で日本語の意味を声に出して言う。
間違えたカードは、別に集めておいて、復習する。箱を《昨日》《先週》《先月》と用意しておくと、spaced repetitionがやりやすい。
(2)自分でテストをつくる
お仕着せのテストよりも、自分で作った方が自己関与が高い分、効果も高い。
が、もちろん時間は余計にかかるし、めんどうくさい。
せっかく辞書があるのだから、辞書の例文をつかって、覚えたい単語を虫食いにして。写す。
これで穴埋めテストができあがる。
さらに、辞書の例文をつかって、逆に覚えたい単語、熟語・慣用句表現だけを残して、他を虫食いにしたリバース・バージョンもつくる。
虫食いを埋める形で、自分のことについて書く。これも自己関与が高い分、効果も高い。
英作文の軽いトレーニングにもなる。
同じ例文をテスト・バージョンとリバース・バージョンの2回、使い回せるのがミソである。
(3)作った自作テストを他人と交換して解く
どういう訳か、自作テストを自分で解くよりも効果が高いことが分かっている。
この程度の人間関係でもあった方が、パフォーマンスが高い。
かように、ヒトの認知機構は、社会的/対人的な関係がらみの情報に、最適化されているらしい。
(関連記事)
英単語の過剰学習にGoogleを使い倒すための+4クリック 読書猿Classic: between / beyond readers

読書猿Classic 中学0年生からやり直す英語読み

子供の辞典は、今さら聞けない大人の味方である(英語篇) 読書猿Classic: between / beyond readers

「血を吸う」って英語でなんて言う?/英英辞典の粋で助かる使い方 読書猿Classic: between / beyond readers
……英語教師のネタ本だが、日本語では類書が無い。メソッドが山盛りつまっていて、強力にお勧めできる。著者は語彙習得研究で博士号をとった英語の先生。真っ当な第二言語習得理論と現場の知恵の融合。
けれど単語を覚える(語彙習得)という点からすれば、「わからない単語」に出会ったら辞書を引く、というのは,実はあまり役に立たない。
辞書を引けば、簡単に「日本語での意味」がわかる。
しかし、簡単に「わかってしまった」単語は、定着しないのだ。
そして、かなり多くの学習者が、「辞書は日本語訳だけを調べるツール」としてしか認識していない。
単語を覚えるなら、初見の段階では、もっとアタマに負荷をかけることをした方が良い。いわゆる「深い処理」という奴だ。
そして、その後の復習は、高速で思い出すのが効果的だ。フラッシュ・カードはこのために用いる。
復習の間隔は、次第に開けていくといい。次の日、一週間後、一ヶ月後……といった風にだ。これをspaced repetition、あるいはspaced rehearsal, expanding rehearsal, graduated intervals, repetition spacing, repetition scheduling, spaced retrieval and expanded retrieval などと言う(http://en.wikipedia.org/wiki/Spaced_repetition)。
さて、問題は、初見の段階でやるといい「深い処理」の方である。
効果の高い方法は、それだけ負荷も高い。
一言で言えば、めんどうくさい。
当たり前だが、簡単にすませる方法よりも時間がかかる。
だが、本当なら、かけた時間×定着度、という尺度で「時間がかかる」かどうかは判断すべきだろう。さっさと「覚えた気」になっても、身に付いてないなら、節約した時間の意味は無いからだ。
できるだけ「めんどうくさい」やり方から、いくつか並べてみる。
(1)巨大な単語カードをつくる
巨大といっても,畳1枚分も必要ない。
B5かA4サイズのルーズリーフで十分だ。
ルーズリーフの表に、バカみたいなデカイ字で、出会ったばかりの単語(ほかに熟語や慣用句などの表現でも同じ手が使える)のスペルを書く。表はこれだけでいい。
裏には、その単語について、あらゆる情報を書く、描く。
辞書の情報をできるだけ、写し取る。これまで「捨てて来た」辞書の情報がいかに多いかが分かり、しかも記憶の定着にも役立つ。
発音とアクセントは必須。
意味は日本語でいい。慣れない言語だと、頭の中の辞書=メンタル・レキシコンは母語のネットワークを頼りに成長するからだ。
品詞もわざわざ書く。
例文ももちろん書く(これはできたら、当該の単語の部分は( )であけておくといい)
メンタル・レキシコンを成長させるために、訳語(日本語の意味)から、連想するコトバ、類義語を日本語で良いから書いておく。
自己関与が高いほど、単語の定着度は高い。辞書から例文を選んだら、その主語/目的語を自分に置き換えて、例文を改変して書く。
辞書の絵、ピクチャー・ディクショナリの絵、ネットで探した写真なども、カードの裏に描く/貼る。絵のうまい/ヘタにかかわらず、自分で絵を描くと、ほぼ一発で、その単語は覚えられる。当然、時間はかかるし、めんどうだが、そこがよい。
カードの形態なので、復習時は、フラッシュ・カードとして使える。
カードを見て、一瞬で日本語の意味を声に出して言う。
間違えたカードは、別に集めておいて、復習する。箱を《昨日》《先週》《先月》と用意しておくと、spaced repetitionがやりやすい。
(2)自分でテストをつくる
お仕着せのテストよりも、自分で作った方が自己関与が高い分、効果も高い。
が、もちろん時間は余計にかかるし、めんどうくさい。
せっかく辞書があるのだから、辞書の例文をつかって、覚えたい単語を虫食いにして。写す。
これで穴埋めテストができあがる。
さらに、辞書の例文をつかって、逆に覚えたい単語、熟語・慣用句表現だけを残して、他を虫食いにしたリバース・バージョンもつくる。
虫食いを埋める形で、自分のことについて書く。これも自己関与が高い分、効果も高い。
英作文の軽いトレーニングにもなる。
同じ例文をテスト・バージョンとリバース・バージョンの2回、使い回せるのがミソである。
(3)作った自作テストを他人と交換して解く
どういう訳か、自作テストを自分で解くよりも効果が高いことが分かっている。
この程度の人間関係でもあった方が、パフォーマンスが高い。
かように、ヒトの認知機構は、社会的/対人的な関係がらみの情報に、最適化されているらしい。
(関連記事)
英単語の過剰学習にGoogleを使い倒すための+4クリック 読書猿Classic: between / beyond readers

読書猿Classic 中学0年生からやり直す英語読み

子供の辞典は、今さら聞けない大人の味方である(英語篇) 読書猿Classic: between / beyond readers

「血を吸う」って英語でなんて言う?/英英辞典の粋で助かる使い方 読書猿Classic: between / beyond readers
![]() | 英語語彙の指導マニュアル (英語教育21世紀叢書) (2003/10) 望月 正道投野 由紀夫 商品詳細を見る |
![]() | 英語語彙指導ハンドブック (2006/12) 門田 修平池村 大一郎 商品詳細を見る |
![]() | 少しの工夫で効果4倍!魔法の英語語彙指導アイデア (授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ) (2010/01) 岡田 順子 商品詳細を見る |
……英語教師のネタ本だが、日本語では類書が無い。メソッドが山盛りつまっていて、強力にお勧めできる。著者は語彙習得研究で博士号をとった英語の先生。真っ当な第二言語習得理論と現場の知恵の融合。
![]() | 英語習得の「常識」「非常識」―第二言語習得研究からの検証 (2004/12) 白畑 知彦須田 孝司 商品詳細を見る |