CoxheadのAWL (Academic Word list 570words)とは、学術テキストにおいて一般テキストよりも高いテキストカバー率を示す語彙570単語(活用形、派生形を整理したワードファミリー)を集めたものである (Coxhead, A. (2000). A New Academic Word List. TESOL Quarterly, 34(2): 213-238.)。
Academic Wordとあるが専門用語ではなく、分野・専攻を問わずに大学レベルの教科書や専門文献に頻出する単語たちであり、言わば教育のある人にとってのコアボキャブラリー(英語圏の大卒社会人が当然知っている単語)である。
そのため新聞、雑誌、テレビなどのマスメディアで使われることも多く、英語で書かれた新聞についての調査では、頻出順2000語では7割台しかカバーできないが、AWLの570語をプラスすると8割を越える。また頻出順2000-3000語を覚えるより効果が高いなどが知られている。
以下の表はAWL (Academic Word list 570words)の各語について、(1)Merriam-Webster Dictionary、(2)Wordnik、(3)Online Etymology Dictionary(語源辞典)、(4)英語例文検索EReK(English Sentence Search)-教育機関サイト(.eduドメイン)限定、(5)英和辞典(eプログレッシブ英和中辞典+例文ーNaver英語辞典)、(6)glosbeオンライン英和翻訳メモリ、(7)lexipedia単語間ネットワーク表示のビジュアル・シソーラス、へのリンクが並べたもの。
(1)Merriam-Webster Dictionaryは定義の他に、発音が聞けて、例文があって、簡単な初出時期と語源解説があって、同義語・対義語があって、韻を踏む単語まで表示してくれる。
(2)Wordnikは、定義(American Heritage Dictionaryのほか5つの辞書)、発音、例文、Twitterでの最新使用例、flickrからの画像、類義語(Thesaurus)、使用統計と年代ごとのグラフ、語源(Etymology)等が表示される。
(3)Online Etymology Dictionaryは語源辞典の決定版。
(4)英語例文検索EReKは、ウェブ上の用例を中心に検索キー、左右にコンテキストを配置するKWIC (KeyWord In Context)で表示してくれる。学術系の単語なので、教育機関サイト(.eduドメイン)限定にしてある。
(以下を変更/追加した 2012.6.16)
(5)の英和辞典は、以前はYahoo辞書へリンクしていたが、辞書情報が充実し、豊富な例文が表示されることからNaver英語辞典に切り替えた。
(6)のglosbeは、オンラインで利用できる多言語オンライン辞書+公開翻訳メモリのうち、英和セクションへのリンク。単語をつかった英日対訳例文が豊富に表示される。
(7)のlexipediaは、ある単語の関連語をネットワーク表示してくれるヴィジュアル・シソーラス。表示された周りの単語をクリックすると、新たにその単語を中心にしたネットワークに切り替わる。単語をドラッグして見やすいように位置を調整することもできる。
7クリックすれば、ひとつの英単語について、異なる角度から、かなりの量の情報に触れることができるだろう。
ある単語を覚えるには、6~10の異なる文脈で出会うことが必要らしいが(30回という人もいる)、この表は言わば、そうした出会いをコンパクトにまとめたものである。
(関連記事)
AWLはGSL (General Service List:汎用性の高い単語リスト)を前提にしており、学術テキストで登場するがGSLに含まれていない語彙からAWL570をまとめている。つまりGSL+AWL570で、学術テクストに頻出の語彙をカバーする構成になっている。GSL (General Service List)については以下の記事を参照。
・日本の英語教育が落っことしがちな英単語最頻出2000語を7クリックで覚える表 読書猿Classic: between / beyond readers
Academic Wordとあるが専門用語ではなく、分野・専攻を問わずに大学レベルの教科書や専門文献に頻出する単語たちであり、言わば教育のある人にとってのコアボキャブラリー(英語圏の大卒社会人が当然知っている単語)である。
そのため新聞、雑誌、テレビなどのマスメディアで使われることも多く、英語で書かれた新聞についての調査では、頻出順2000語では7割台しかカバーできないが、AWLの570語をプラスすると8割を越える。また頻出順2000-3000語を覚えるより効果が高いなどが知られている。
以下の表はAWL (Academic Word list 570words)の各語について、(1)Merriam-Webster Dictionary、(2)Wordnik、(3)Online Etymology Dictionary(語源辞典)、(4)英語例文検索EReK(English Sentence Search)-教育機関サイト(.eduドメイン)限定、(5)英和辞典(eプログレッシブ英和中辞典+例文ーNaver英語辞典)、(6)glosbeオンライン英和翻訳メモリ、(7)lexipedia単語間ネットワーク表示のビジュアル・シソーラス、へのリンクが並べたもの。
(1)Merriam-Webster Dictionaryは定義の他に、発音が聞けて、例文があって、簡単な初出時期と語源解説があって、同義語・対義語があって、韻を踏む単語まで表示してくれる。
(2)Wordnikは、定義(American Heritage Dictionaryのほか5つの辞書)、発音、例文、Twitterでの最新使用例、flickrからの画像、類義語(Thesaurus)、使用統計と年代ごとのグラフ、語源(Etymology)等が表示される。
(3)Online Etymology Dictionaryは語源辞典の決定版。
(4)英語例文検索EReKは、ウェブ上の用例を中心に検索キー、左右にコンテキストを配置するKWIC (KeyWord In Context)で表示してくれる。学術系の単語なので、教育機関サイト(.eduドメイン)限定にしてある。
(以下を変更/追加した 2012.6.16)
(5)の英和辞典は、以前はYahoo辞書へリンクしていたが、辞書情報が充実し、豊富な例文が表示されることからNaver英語辞典に切り替えた。
(6)のglosbeは、オンラインで利用できる多言語オンライン辞書+公開翻訳メモリのうち、英和セクションへのリンク。単語をつかった英日対訳例文が豊富に表示される。
(7)のlexipediaは、ある単語の関連語をネットワーク表示してくれるヴィジュアル・シソーラス。表示された周りの単語をクリックすると、新たにその単語を中心にしたネットワークに切り替わる。単語をドラッグして見やすいように位置を調整することもできる。
7クリックすれば、ひとつの英単語について、異なる角度から、かなりの量の情報に触れることができるだろう。
ある単語を覚えるには、6~10の異なる文脈で出会うことが必要らしいが(30回という人もいる)、この表は言わば、そうした出会いをコンパクトにまとめたものである。
(関連記事)
AWLはGSL (General Service List:汎用性の高い単語リスト)を前提にしており、学術テキストで登場するがGSLに含まれていない語彙からAWL570をまとめている。つまりGSL+AWL570で、学術テクストに頻出の語彙をカバーする構成になっている。GSL (General Service List)については以下の記事を参照。
・日本の英語教育が落っことしがちな英単語最頻出2000語を7クリックで覚える表 読書猿Classic: between / beyond readers

2010.08.28
フリーの英単語リストをまとめてみた
Horn List (100 Most Common Words)
Dolch List (220 Basic Sight Words)
Ogden’s BASIC English Word List (850 words)
Top 1000 words in UK English (1000 words)
VOA Special English Word Book (about 1500 words)
GSL (General Service List ; about 2000 Words)
Extended Version of A General Service List of English Words
AWL (Academic Word list 570words)
UWL (University Word List 808words)
Brown Corpus - 2000 Most Common Words
The most frequent word families 1000/2000
The Longman Defining Vocabulary (about 2000 words)
The Oxford 3000
高専学生のための必須英単語 COCET3300
5000 Free SAT Words
The Ultimate GRE Word List & Dictionary (over 6500 words)
JACET8000(大学英語教育学会基本語リスト)
レベル別語彙リストSVL12000
SVL12000にない英単語(ABC順)(about 3000 words)
公開されている既存英語語彙表の統合一覧表(15806語)
UK English wordlist version 1.01 (about 57000 words)
Word frequency lists and frequency dictionary of English
(追記)
・日本大学の中條清美氏が個人サイトの「教育・研究資料」のコーナーで、小学校テキスト、高校教科書、大学入試、TOEICの各語彙リスト、BNCから抽出したビジネス/EAP語彙、パラレルコーパスなどを公開している。
- 頻度順 http://www.englishcorner.vacau.com/vocabulary/hornlistfreq.html
- アルファベット順 http://www.englishcorner.vacau.com/vocabulary/hornlistalpha.html
- [出典]Horn, E. (1926), A basic writing vocabulary, 10,000 words most commonly used in writing, College of Education.
Dolch List (220 Basic Sight Words)
- 頻度順 http://www.englishcorner.vacau.com/vocabulary/dolchfreq.html
- アルファベット順 http://www.englishcorner.vacau.com/vocabulary/dolchalpha.html
- [出典]Dolch, E.W. (1927), Grade vocabularies, The Journal of Educational Research.
- #頻度順のURLが間違ってました(なおしました)。お詫びにDolch Listの単語だけで書いた小話を。
Ogden’s BASIC English Word List (850 words)
- Word List http://ogden.basic-english.org/words.html
- [出典]Ogden, C. K. (1930). Basic English: A general introduction. London: Kegan Paul, Trench and Trubner.
- #BASIC Englishは、イギリスの心理学者、言語学者のチャールズ・ケイ・オグデンによって考案された。選ばれた850語の語によって、通常の英語(full English)と同等の表現ができるとされる。(たとえば)850語だけで書いた『聖書』や『ガリヴァー旅行記』。
Top 1000 words in UK English (1000 words)
- http://www.bckelk.ukfsn.org/words/uk1000n.html
- #18人の著者,29作品,460万語のコーパスから抽出したイギリス英語の最頻1000語リスト.
VOA Special English Word Book (about 1500 words)
- 2009Edition_WordBook[PDF]
- 合計135ページの美麗な単語集。
- 合計135ページの美麗な単語集。
- みんなで使うエイゴ学習ザイ
- #Voice of Americaの初級学習者向けVOA Special Englishは、文章短め、ゆっくりめで聞きやすく、リスニング・ビギナー御用達。語彙にも制限をかけていて、このリストの1,500語に限っている。つまり、これだけ覚えれば、(VOA Special Englishなら)ニュースを聞くことができる。
GSL (General Service List ; about 2000 Words)
- 頻度順
- オリジナル(頻度順 1-2284) http://jbauman.com/gsl.html
日本の英語教育が落っことしがちな英単語最頻出2000語を7クリックで覚える表 読書猿Classic: between / beyond readers - [出典]West, Michael. (1953). A General Service List of English Words. (Longman: London).
- #最も流布している頻度順リスト。後述のCoxhead(2000)によれば、GSLはフィクション・テキストの90%、ノンフィクション・テキストの75%、学術コーパスの76%をカバーする。多くの語彙レベル別読本(Graded reader)がこのリストに基づいている。
Extended Version of A General Service List of English Words
- [Excel 形式]
- #James Dickinsによる、上記GSLの拡張版。
AWL (Academic Word list 570words)
- http://simple.wiktionary.org/wiki/Wiktionary:Academic_word_list
- [出典]Coxhead, Averil. (2000). A new academic word list. TESOL Quarterly, 34, 213-238.
- #上記GSLに入っていない語で大学の教科書に現れる語を頻度順に並べた表。頻度ごとの10グループ(Sublist1~10)に分かれている。GSL+AWLで英語の教科書が読める/使えることになる。
英語圏大卒社会人のコアボキャブラリーAWL570を7クリックで覚える表 (旧題:570の学術系英単語を5クリックで覚える表) 読書猿Classic: between / beyond readers
UWL (University Word List 808words)
- http://jbauman.com/UWL.html
- [出典]Xue, G., & Nation, I. S. (1984). A university word list. Language Learning and Communication, 3, 215-229.
- #上記AWLの前身となったリスト。
Brown Corpus - 2000 Most Common Words
- 頻度順一覧表 http://www.edict.com.hk/lexiconindex/frequencylists/words2000.htm
- 4冊に分かれたリスト [pdf形式]
- #Brown Corpus(Brown大学のW. N. FrancisとHenry Kuceraによって、1961年から1964年にかけて作られた、1961年刊行の2000のテキストから構成されるアメリカ英語のコーパス)で頻出単語上位2000単語のリスト。GSLと双璧。
The most frequent word families 1000/2000
- The 1000 most frequent word families
- The second 1000 most frequent word families
- #語彙習得研究でとても有名なPaul Nationが作った最頻出ワードファミリ1000と2000。ワードファミリなので、派生語はみんな「1語」と換算するため、ワードファミリ1000でもカバーする語は4千を超えている。
![]() | Learning Vocabulary in Another Language (Cambridge Applied Linguistics) (2001/03/15) I. S. P. Nation 商品詳細を見る |
The Longman Defining Vocabulary (about 2000 words)
- http://www2.cmp.uea.ac.uk/~jrk/conlang.dir/LongmanVocab.html
- [PDF版]
- #ロングマン現代英々辞書(Longman Dictionary of Contemporary English)で語を定義するのに用いられる約2000語。これだけ分かれば英々辞書が味方になる。
![]() | ロングマン現代英英辞典 [5訂版] DVD-ROM付 (2008/12/26) 不明 商品詳細を見る |
The Oxford 3000
- wordlist
- #British National CorpusとOxford Corpus Collectionから編纂されたオックスフォード3000語リスト。こちらもオックスフォード現代英英辞典(Oxford Advanced Learner's Dictionary)の定義に用いられる。
- Business and finance words、Science words、Arts words(各250語)のリストはここから
![]() | オックスフォード現代英英辞典 第7版 CD‐ROM付 (2005/11) A S Hornby 商品詳細を見る |
高専学生のための必須英単語 COCET3300
- 解説付き単語リスト
- 紹介記事「高専英語教育とe-ラーニング」
- 研究報告書「 高専の特色と目的にかなった英語教材の開発」
- 全国の高専(5年制)の英語の先生14名のプロジェクトチームが2004年に完成した高専や大学初年の理工系学生向き3300語の単語表。学習サイト(https://cocet.code.ouj.ac.jp/)は残念ながらサービスを終了しているが、解説付き単語リストは入手できる。
5000 Free SAT Words
- http://www.freevocabulary.com/
- (注意)開くといきなりpdfのダウンロードを始める。中身はSAT向け数学教材(チートシート?)だけど。単語表は開いたページにあるので、嫌な人はダウンロードを止めて下さい。
- #SAT対策用単語リスト(5000語)。短い定義付き。
The Ultimate GRE Word List & Dictionary (over 6500 words)
- サイトgredic.com http://gredic.com/
- #ソース(元ネタ)は、よく使われるBarron's GREやPrinceton ReviewのCracking the GRE、Taisha、Nandigam、Smirnovなどなど。出典表示付きの定義付+発音も聞ける。
![]() | Barron's GRE: Graduate Record Examination (2009/08) Sharon Weiner GreenIra K. Wolf 商品詳細を見る |
![]() | Cracking the GRE with DVD, 2011 Edition (Graduate School Test Preparation) (2010/06/08) Princeton Review 商品詳細を見る |
JACET8000(大学英語教育学会基本語リスト)
- JACET8000(のうち4250語)[Excel2003 形式]
- 旧版「JACET4000」[自己解凍ファイル]
- JACET 8000 LEVEL MARKER(英文を入力すると出現単語のレベルをJACET 8000の8段階に分けることができる)。
- #British National Corpusと日本人英語学習者の環境を踏まえた独自作成のサブコーパスに準拠し,かつ日本の中学・高校の英語教育現場の状況にも配慮したリスト。日本の研究者にはよく参照されている。上位4000語,および1000語レベルに相当するplus250のあわせて4250語のみ、大学英語教育学会 英語語彙研究会(JACET)サイトで公開、配布。また研究者向けのデータCD-ROM付き『大学英語教育学会基本語リストJACET List of 8000 Basic Words』と『JACET8000活用事例集』がJACET事務局から入手できる。
- またJACET8000に訳語・例文などをつけた語彙教材が桐原書店より刊行されている。
JACET8000英単語 「大学英語教育学会基本語リスト」に基づく
(2005/10/29)
相澤 一美石川 慎一郎
商品詳細を見る - 桐原書店のものには音声CDもついていない。CD付きのものとしては『単語耳』(アスキー)がJACET8000に基づいて語彙を選択している。
単語耳 英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」 理論編+実践編Lv.1
(2007/03/23)
松澤 喜好
商品詳細を見る単語耳 英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」 実践編Lv.2
(2007/09/27)
松澤 喜好
商品詳細を見る単語耳 実践編Lv.3―英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」
(2008/04/19)
松澤 喜好
商品詳細を見る単語耳 英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」 実践編Lv.4
(2009/11/27)
松澤 喜好
商品詳細を見る
レベル別語彙リストSVL12000
- 一覧表 http://www.alc.co.jp/eng/vocab/svl/list.html
- Word Level Checker(英文を入力すると出現単語のレベルをJACET8000、SVL12000、WLCの各levelで判定してくれる)
- レベル診断テスト:単語編(web上のテストで英単語力を「アルク標準語彙水準 SVL12000」のリストに基づき、初級・中級・上級レベルの3段階評価してくれる)。
- #アルクの「標準語彙水準SVL12000」(SVL=Standard Vocabulary List)。1000語ごとに12のレベルに分かれる。
- ちなみに難しい単語が出てこないことで有名なサマセット・モームの小説は、ほとんどがSVLのレベル3(やさしい方から3000語)までいける。時たまレベル4の単語が出てくる程度。
- 市販されているもの
SVL12000にない英単語(ABC順)(about 3000 words)
- http://www.geocities.jp/words_of_english/lists.html
- #「単語力」「英検Pass単熟語1級」「最後の一冊TOEFL・SAT・GRE・GMATの英単語」「JACET8000」「英検プラス単熟語1級」 旺文社「TOEFLテスト英単語3800」(Rank4のみ)「究極単語Advanced2700」(目標スコア900+部分のみ)「難読難解英単語」から抽出。
公開されている既存英語語彙表の統合一覧表(15806語)
- http://www.tomakomai-ct.ac.jp/department/gene/ono/basicwords.txt
- #公開されている単語リストについて、どのリストにどの語が記載されているか整理してひとつのリストにまとめたもの。
UK English wordlist version 1.01 (about 57000 words)
- [zipファイル] http://www.bckelk.ukfsn.org/words/wlist.zip
- #Brian Kelk氏によるGNUライセンスの頻度順単語リスト。
Word frequency lists and frequency dictionary of English
- 頻度順表(上位6万語) http://www.wordfrequency.info/files/entriesWithoutCollocates.txt
- 頻度順コロケーションリスト http://www.wordfrequency.info/files/entriesWithCollocates.txt
- #Corpus of Contemporary American English (COCA)に基づくリスト。
(追記)
・日本大学の中條清美氏が個人サイトの「教育・研究資料」のコーナーで、小学校テキスト、高校教科書、大学入試、TOEICの各語彙リスト、BNCから抽出したビジネス/EAP語彙、パラレルコーパスなどを公開している。
2010.08.24
ボキャブラリーの「広げ方」をマインドマップで書いてみた

1 ワード・ファミリ
word familyは、語の基本形に-lyや-ness、un-などを付けたものも合わせて1語に数えたもの。たとえばhappy, happily, happiness, unhappyは、まとめて1語として数える。
アクティビティとしては、ある単語から派生する単語を、高速で書き出す。
最も簡単で基本的な、ボキャブラリーの広げ方、最初の一歩。
(マップに登場するもの)
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実はWord Family Talesは、ワードファミリとはあまり関係のない(韻を踏む語を一冊ずつにまとめた/1冊275円)アメリカの児童向け英語教材(イギリスのOxford Reading Treeと双璧である)。
2 ワード・フォーク
ある単語の前(や後)にどんな動詞や名詞、形容詞がつくかを考えて、これもできるだけ多く書き出す。
スタートになる単語を柄に、つながる動詞、名詞、形容詞が、フォークの先に見立てている。
いわゆるコロケーションからボキャブラリーの広げていく。
(マップに登場するもの)
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(関連あるもの)
![]() | Oxford Collocations Dictionary For Students of English (2009/05/05) Colin McIntosh、 商品詳細を見る |
![]() | 100の超基本名詞で広がる英語コロケーション2500 (2010/05) クリストファ バーナード 商品詳細を見る |
3 ブレインストーミング・マップ
ある単語をスタートに、連想した語を思いつく限り書き出していく。
ワード・ファミリとワード・フォークは、このアクティビティの中でも継承される。
ブレインストーミング・マップではさらに、派生語やコロケーションのような辞書に載っている範囲を超えて、ボキャブラリーを広げていく。
書き出した単語は、あとで分類・整理する。
単語の覚え方にもお国柄があるらしく、日本人は語彙を文脈に結びつけて覚えるやり方が多く使われ、類義語をグルーピングしたり既知語と結びつけて語彙処理のレベルを深くする方法はあまり使われないらしい*1ので、勧めてみる。
*1 Schmitt, N. (1997) Vocabulary learning strategies in Schmitt, N. & McCarthy, M. (eds) Vocabulary: Description, acquisition and pedagogy, 199-227, Cambridge University Press.
(マップに登場するもの)
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(関連あるもの)
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4 英英辞典
英語を英語で定義してある英英辞典の各項目は、そのまま英単語のネットワークのノードになる。
「血を吸う」を英語で何というか調べるのに、吸血鬼や蚊の項目を引くやり方を以前書いた。
「血を吸う」って英語でなんて言う?/英英辞典の粋で助かる使い方 読書猿Classic: between / beyond readers

それ以外にも、ある語から始めて上位概念や下位概念へとネットワークに沿って移っていくこともできる。
たとえば、continue, control, defend, foster, guard, maintain, manege, protect, repeat, shelter, sheid, support, ward……といった語は定義を見ればわかるように、みなkeepの下位概念(あるいはkeepの一種、特殊なkeep)である。
上位/下位の関係がつかめると、単語を忘れたり知らない場合でも、別の表現で代用することができる。これは自分で定義を考えることでもある。そして英英辞典を使うと、その答え合わせもできる。
(マップに登場するもの)
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5 語幹/接頭語/接尾語
単語を覚えるのに語源を参照することは、いつになってもなくならない方法だが、必ずしも効率がいい訳ではない。
また単語の意味が、元々持っていた意味から変化していくと、語源を参照するだけでは、その意味に到達できなくなる。
しかし、この意図された回り道は、少なくとも2つの利点を持つ。
ひとつは、語のコアになっている意味に必然的に立ち戻ること。
もうひとつは、同じ語幹/接頭語/接尾語を持つ多くの単語とのつながり(ネットワーク)を賦活すること。
(マップに登場するもの)
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6 場面描写
情景としてイメージできたものは記憶に残りやすい。
情景を描くことは、あるトピックに関連して必要になる語を動員することでもある。
ひとつのトピックに関わる語の連なりを、情景イメージにリンクすることができる。
さて、イメージへのアプローチとして、正反対の2つを用意した。
一つは具体的事物の絵・写真を直裁に提示する(時に図解、分解図へと至る)アプローチ。
もうひとつは、here/there(此/彼岸)の根源的分割からはじめ、here/thereからcome/goへ、さらにget/put、take/giveというコア動詞から、次第に複雑な世界へと「分割」を繰り返していくアプローチ。
(マップに登場するもの)
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7 新語/新聞見出し
新しい言葉は常に生まれている。
これまで、語と語の間に結ばれる様々なリンクをたどってきたが、従来の連関の延長線上には無い語の登場は、新たなネットワークの起点になる。
新しい語は、我々の中のネットワーク、メンタル・レキシコンをまた、賦活させ増殖させていく。
(マップに登場するもの)


英単語の過剰学習にGoogleを使い倒すための+4クリック 読書猿Classic: between / beyond readers
