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    ◆「図説世界の歴史 全10巻」(創元社)

    図説 世界の歴史〈1〉「歴史の始まり」と古代文明図説 世界の歴史〈1〉「歴史の始まり」と古代文明
    (2002/11)
    J.M. ロバーツ青柳 正規

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     「オックスフォード・ヒストリー・シリーズ」の総監修をつとめたJ.M.ロバーツによるベストセラー通史の邦訳。
     一人の著者が書いていることから、現在に影響を与えた事柄を中心に取捨選択することで(それぞれの分野の専門家が参加するシリーズものだと思い切って捨てるというのが難しい)、類書に比べてコンパクトにまとまっている。

    第1巻 「歴史の始まり」と古代文明 ; 東眞理子訳 ; 青柳正規監修
    第2巻 古代ギリシアとアジアの文明 ; 月森左知訳 ; 桜井万里子監修
    第3巻 古代ローマとキリスト教 ; 東眞理子訳
    第4巻 ビザンツ帝国とイスラーム文明 ; 月森左知訳 ; 後藤明監修
    第5巻 東アジアと中世ヨーロッパ ; 月森左知, 高橋宏訳
    第6巻 近代ヨーロッパ文明の成立 ; 金原由紀子訳
    第7巻 革命の時代 ; 東眞理子訳
    第8巻 帝国の時代 ; 東眞理子訳
    第9巻 第二次世界大戦と戦後の世界 ; 月森左知訳
    第10巻 新たなる世界秩序を求めて ; 東眞理子, 高橋宏訳


    ◆「ビジュアル版 世界の歴史 全20巻」(講談社)

    世界の歴史―ビジュアル版〈13〉大航海時代世界の歴史―ビジュアル版〈13〉大航海時代
    (1984/07)
    増田 義郎

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     その名の通り、カラー写真などの図版を使い、読みやすくまとめている。
     刊行時期が1980年代半ばということもあって、中古市場だとかなり安く(時にほとんど送料だけで)手に入る。

    第1巻 文明の誕生 / 江坂輝彌, 大貫良夫著
    第2巻 古代のオリエント / 小川英雄著
    第3巻 ギリシア・ローマの栄光 / 馬場恵二著
    第4巻 悠久のインド / 山崎利男著
    第5巻 中国文明の成立 / 松丸道雄, 永田英正著
    第6巻 イスラム世界の発展 / 本田實信著
    第7巻 ヨーロッパの出現 / 樺山紘一著
    第8巻 東アジアの世界帝国 / 尾形勇著
    第9巻 ビザンツとロシア・東欧 / 森安達也著
    第10巻 草原とオアシス / 山田信夫著
    第11巻 東アジアの変貌 / 小山正明著
    第12巻 東南アジア世界の形成 / 石井米雄, 桜井由躬雄著
    第13巻 大航海時代 / 増田義郎著
    第14巻 ヨーロッパの革命 / 遅塚忠躬著
    第15巻 近代のアメリカ大陸 / 清水知久著
    第16巻 アジアの民族運動 / 伊藤秀一著
    第17巻 東アジアの近代 / 加藤祐三著
    第18巻 帝国主義の時代 / 西川正雄, 南塚信吾著
    第19巻 第二次世界大戦 / 荒井信一著
    第20巻 現代の世界 / 武者小路公秀著


    ◆「世界の歴史 全30巻」(中央公論社→中央公論新社)

    世界の歴史 22 近代ヨーロッパの情熱と苦悩 (中公文庫 S22-22)世界の歴史 22 近代ヨーロッパの情熱と苦悩 (中公文庫 S22-22)
    (2009/03)
    谷川 稔鈴木 健夫

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    1996年から刊行。2008年1月から2010年6月にかけ文庫化された。文庫では最新の世界史通史。

    (1)人類の起原と古代オリエント [文庫]
    (2)中華文明の誕生 [文庫]
    (3)古代インドの文明と社会 [文庫]
    (4)オリエント世界の発展 [文庫]
    (5)ギリシアとローマ [文庫]
    (6)隋唐帝国と古代朝鮮 [文庫]
    (7)宋と中央ユーラシア [文庫]
    (8)イスラーム世界の興隆 [文庫]
    (9)大モンゴルの時代 [文庫]
    (10)西ヨーロッパ世界の形成 [文庫]
    (11)ビザンツとスラヴ [文庫]
    (12)明清と李朝の時代 [文庫]
    (13)東南アジアの伝統と発展 [文庫]
    (14)ムガル帝国から英領インドへ [文庫]
    (15)成熟のイスラーム社会 [文庫]
    (16)ルネサンスと地中海 [文庫]
    (17)ヨーロッパ近世の開花 [文庫]
    (18)ラテンアメリカ文明の興亡 [文庫]
    (19)中華帝国の危機 [文庫]
    (20)近代イスラームの挑戦 [文庫]
    (21)アメリカとフランスの革命 [文庫]
    (22)近代ヨーロッパの情熱と苦悩 [文庫]
    (23)アメリカ合衆国の膨張 [文庫]
    (24)アフリカの民族と社会 [文庫]
    (25)アジアと欧米世界 [文庫]
    (26)世界大戦と現代文化の開幕 [文庫]
    (27)自立へ向かうアジア [文庫]
    (28)第2次世界大戦から米ソ対立へ [文庫]
    (29)冷戦と経済繁栄 [文庫]
    (30)新世紀の世界と日本 [文庫]

    ◆旧「世界の歴史」(中央公論社)
    初出は1965年頃。文庫本化は1975年頃。


    ◆世界の歴史シリーズ(河出書房新社)
    初出は1968年頃。文庫本化は1989年頃。


    ◆世界の歴史シリーズ(教養文庫)
    1974年に文庫化。



    ◆世界史リブレット (山川出版社)

     については、世界史研究の《近年》を伝える《多孔質》のライブラリ/山川世界史リブレット 読書猿Classic: between / beyond readers 世界史研究の《近年》を伝える《多孔質》のライブラリ/山川世界史リブレット 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加の記事を参照。
     薄いブックレットなので、近年の研究成果を手軽に知ることができる。1冊765円という価格も魅力。

    ◆「地域からの世界史 全21巻」(朝日新聞社)
     各国史でなく、地域史から世界史を見ようというシリーズ。



    ◆有斐閣の概説各国史シリーズ

    新版 概説イギリス史―伝統的理解をこえて (有斐閣選書)新版 概説イギリス史―伝統的理解をこえて (有斐閣選書)
    (1991/05)
    不明

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    手頃な分量にまとめられていて、研究入門として適している。
    概説アメリカ史
    概説イギリス史
    概説フランス史
    概説ドイツ史
    概説イタリア史
    概説スペイン史
    東欧現代史
    概説カナダ史
    概説メキシコ史
    概説ブラジル史
    概説イスラーム史
    中国現代史
    東南アジア現代史
    概説オーストラリア史
    概説アメリカ外交史
    概説アメリカ経済史
    イギリス経済史


    ◆ミネルヴァ書房の歴史シリーズ

    アメリカ合衆国の歴史アメリカ合衆国の歴史
    (1998/04)
    野村 達朗

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    有斐閣の概説各国史シリーズのカウンターパート。同様に研究入門書として良い。

    アメリカ合衆国の歴史
    フランス近代史
    ドイツ近代史
    イギリス近代史
    イギリス中世史


    ◆世界各国史 全28巻(山川出版社)


    中央ユーラシア史 (新版 世界各国史)中央ユーラシア史 (新版 世界各国史)
    (2000/11)
    小松 久男

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    国別の歴史を古代から現代まで概説。
    類書の少ない(例えば中央ユーラシア、東南アジア、カナダ、オセアニア、バルカン等)地域の歴史は、このシリーズがあって助かる。
    東南アジア史(大陸部)
    東南アジア史(島嶼部)
    中央ユーラシア史
    南アジア史
    西アジア史(アラブ)
    西アジア史(イラン・トルコ)
    スイス・ベネルクス史
    バルカン史
    ギリシア史
    ドナウ・ヨーロッパ史
    ポーランド・ウクライナ・バルト史
    北欧史
    ラテンアメリカ史1
    ラテンアメリカ史2
    オセアニア史
    日本史
    朝鮮史
    中国史
    アフリカ史
    アメリカ史
    ロシア史
    ドイツ史
    フランス史
    イギリス史


    ◆「世界歴史大系」(山川出版社)

     全時代を詳細に記述した本文と、補説からなる各国史の最上位シリーズ。政治史中心。

    ロシア史〈3〉20世紀 (世界歴史大系)ロシア史〈3〉20世紀 (世界歴史大系)
    (1997/04)
    田中 陽児倉持 俊一

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    アメリカ史 1: 17世紀-1877年/ 有賀貞 [ほか] 編
    アメリカ史 2: 1877年-1992年/ 有賀貞 [ほか] 編
    ロシア史 1: 9世紀-17世紀/ 田中陽兒, 倉持俊一, 和田春樹編
    ロシア史 2: 18世紀-19世紀/ 田中陽兒, 倉持俊一, 和田春樹編
    ロシア史 3: 20世紀/ 田中陽兒, 倉持俊一, 和田春樹編
    ドイツ史 1: 先史~1648年/ 成瀬治, 山田欣吾, 木村靖二編
    ドイツ史 2: 1648~1890年. / 成瀬治, 山田欣吾, 木村靖二編
    ドイツ史 3: 1890年~現在/ 成瀬治, 山田欣吾, 木村靖二編
    フランス史 1: 先史-15世紀/ 柴田三千雄, 樺山紘一, 福井憲彦編
    フランス史 2: 16世紀-19世紀なかば/ 柴田三千雄, 樺山紘一, 福井憲彦編
    フランス史 3: 19世紀なかば-現在/ 柴田三千雄, 樺山紘一, 福井憲彦編
    中国史 1巻: 先史-後漢/ 松丸道雄 [ほか] 編
    中国史 2巻: 三国-唐/ 松丸道雄 [ほか] 編
    中国史 3巻: 五代-元/ 松丸道雄 [ほか] 編
    中国史 4巻: 明-清/ 松丸道雄 [ほか] 編
    中国史 5巻: 清末-現在/ 松丸道雄 [ほか] 編
    イギリス史 1 : 先史~中世 / 青山吉信編
    イギリス史 2 : 近世 / 今井宏編
    イギリス史 3 : 近現代 / 村岡健次,木畑洋一編
    スペイン史 1 : 古代--近世 / 関哲行, 立石博高, 中塚次郎編
    スペイン史 2 : 近現代・地域からの視座 / 関哲行, 立石博高, 中塚次郎編
    南アジア史 1 : 先史・古代 / 山崎元一, 小西正捷編
    南アジア史 2 : 中世・近世 / 小谷汪之編
    南アジア史 3 : 南インド / 辛島昇編


    ◆「歴史のフロンティア 全37巻(予定)」(山川出版社)


    ドン・ジュアンの埋葬―モリエール『ドン・ジュアン』における歴史と社会 歴史のフロンティアドン・ジュアンの埋葬―モリエール『ドン・ジュアン』における歴史と社会 歴史のフロンティア
    (1996/09)
    水林 章

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    民のモラル : 近世イギリスの文化と社会 / 近藤和彦著
    ルターの首引き猫 : 木版画で読む宗教改革 / 森田安一著
    ガリラヤからローマへ : 地中海世界をかえたキリスト教徒 / 松本宣郎著
    夢と反乱のフォブール : 1848年パリの民衆運動 / 喜安朗著
    生殖の政治学 : フェミニズムとバース・コントロール / 荻野美穂著
    ドン・ジュアンの埋葬 : モリエール『ドン・ジュアン』における歴史と社会 / 水林章著
    パクス・アメリカーナへの道 : 胎動する戦後世界秩序 / 紀平英作著
    ボリス・ゴドノフと偽のドミトリー : 「動乱」時代のロシア / 栗生沢猛夫著
    十字架と三色旗 : もうひとつの近代フランス / 谷川稔著
    ソクラテスの隣人たち : アテナイにおける市民と非市民 / 桜井万里子著
    ナチズムの記憶 : 日常生活からみた第三帝国 / 山本秀行著
    文明としてのソ連 : 初期現代の終焉 / 石井規衛著
    ユダヤ移民のニューヨーク : 移民の生活と労働の世界 / 野村達朗著
    性に病む社会 : ドイツある近代の軌跡 / 川越修著
    海港と文明 : 近世フランスの港町 / 深沢克己著
    プラーグ街の住民たち : フランス近代の住宅・民衆・国家 / 中野隆生著
    第二帝政とパリ民衆の世界 : 「進歩」と「伝統」のはざまで / 木下賢一著
    ドイツ海軍の熱い夏 : 水兵たちと海軍将校団1917年 / 三宅立著
    議員が選挙区を選ぶ : 18世紀イギリスの議会政治 / 青木康著


    ◆「講座世界史 全12巻」(東京大学出版会)

    解放の夢―大戦後の世界 (講座世界史)解放の夢―大戦後の世界 (講座世界史)
    (1996/03)
    油井 大三郎長崎 暢子

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    1 : 世界史とは何か : 多元的世界の接触の転機 / 歴史学研究会編
    2 : 近代世界への道 : 変容と摩擦 / 歴史学研究会編
    3 : 民族と国家 : 自覚と抵抗 / 歴史学研究会編
    4 : 資本主義は人をどう変えてきたか / 歴史学研究会編
    5 : 強者の論理 : 帝国主義の時代 / 歴史学研究会編
    6 : 必死の代案 : 期待と危機の20年 / 歴史学研究会編
    7 : 「近代」を人はどう考えてきたか / 歴史学研究会編
    8 : 戦争と民衆 : 第二次世界大戦 / 歴史学研究会編
    9 : 解放の夢 : 大戦後の世界 / 歴史学研究会編
    10 : 第三世界の挑戦 : 独立後の苦悩 / 歴史学研究会編
    11 : 岐路に立つ現代世界 : 混沌を恐れるな / 歴史学研究会編
    12 : わたくし達の時代 / 歴史学研究会編


    ◆「シリーズ世界史への問い 全10巻」(岩波書店)


    社会的結合 (シリーズ世界史への問い)社会的結合 (シリーズ世界史への問い)
    (1989/12)
    板垣 雄三、

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    1 : 歴史における自然 / 後藤明[ほか]執筆
    2 : 生活の技術生産の技術 / 川北稔[ほか]執筆
    3 : 移動と交流 / 濱下武志[ほか]執筆
    4 : 社会的結合 / 二宮宏之[ほか]執筆
    5 : 規範と統合 / 二宮宏之[ほか]執筆
    6 : 民衆文化 / 柴田三千雄[ほか]執筆
    7 : 権威と権力 / 小谷汪之[ほか]執筆
    8 : 歴史のなかの地域 / 板垣雄三[ほか]執筆
    9 : 世界の構造化 / 川北稔[ほか]執筆 ; 柴田三千雄[ほか]編
    10 : 国家と革命 / 板垣雄三[ほか]執筆



    ◆「岩波講座 世界歴史 全31巻」(岩波書店)1969年 - 1971年


    旧版の岩波講座。刊行年は古いが未だに有用な優れた論文が並ぶ。

    =古代=
    古代オリエント世界 ; 地中海世界 1 (岩波講座世界歴史 1 . 古代 ; 1)
    地中海世界 2 (岩波講座世界歴史 2 . 古代 ; 2)
    地中海世界 3 南アジア世界の形成 (岩波講座世界歴史 3 . 古代 ; 3 )
    東アジア世界の形成 1, 2. (岩波講座世界歴史 4-5 . 古代 ; 4-5)
    東アジア世界の形成(3) ; 内陸アジア世界の形成 (岩波講座世界歴史 6 . 古代 ; 6)

    =中世=
    中世ヨーロッパ世界 1, 2, 3. (岩波講座世界歴史 7, 10-11 . 中世 ; 1, 4-5)
    西アジア世界 (岩波講座世界歴史 8 . 中世 ; 2)
    内陸アジア世界の展開(1) ; 東アジア世界の展開(1) (岩波講座世界歴史 9 . 中世 ; 3)
    東アジア世界の展開 / 2. (岩波講座世界歴史 12 . 中世 ; 6)
    内陸アジア世界の展開(2) ; 南アジア世界の展開 / (岩波講座世界歴史 13 . 中世 ; 7)

    =近代=
    近代世界の形成 1, 2, 3. (岩波講座世界歴史 14-16 . 近代 ; 1-3)
    近代世界の展開 1 - 5. (岩波講座世界歴史 17-21 . 近代 ; 4-8)
    帝国主義時代 1, 2. (岩波講座世界歴史 22-23 . 近代 ; 9-10)

    =現代=
    第一次世界大戦 (岩波講座世界歴史 24 . 現代 ; 1)
    第一次世界大戦直後 (岩波講座世界歴史 25 . 現代 ; 2)
    一九二〇年代 (岩波講座世界歴史 26 . 現代 3):
    世界恐慌期 (岩波講座世界歴史 27 . 現代 ; 4)
    一九三〇年代 (岩波講座世界歴史 28 . 現代 5).
    第二次世界大戦 (岩波講座世界歴史 29 . 現代 ; 6)

    現代歴史学の課題. (岩波講座世界歴史 30 ; 別巻)
    総目次・総索引 (岩波講座世界歴史 31)


    ◆「岩波講座 世界歴史 全29巻」(岩波書店)1997年 - 2000年

    岩波講座世界歴史 (16)岩波講座世界歴史 (16)
    (1999/10)
    樺山 紘一

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    旧版 岩波講座世界歴史の完結後、四半世紀を経て出された。近年の研究成果を、様々な角度から捉えた論文で知ることができる充実のラインナップ。

    第1巻 世界史へのアプローチ / 樺山紘一 [ほか] 執筆
    第2巻 オリエント世界 : -7世紀 / [前川和也ほか執筆]
    第3巻 中華の形成と東方世界 : -2世紀 / [鶴間和幸ほか執筆]
    第4巻 地中海世界と古典文明 : 前1500年-後4世紀 / [本村凌二ほか執筆]
    第5巻 帝国と支配 : 古代の遺産 / [本村凌二ほか執筆]
    第6巻 南アジア世界・東南アジア世界の形成と展開 : -15世紀 / [山崎元一ほか執筆]
    第7巻 ヨーロッパの誕生 : 4-10世紀 / [佐藤彰一ほか執筆]
    第8巻 ヨーロッパの成長 : 11-15世紀 / [江川温ほか執筆]
    第9巻 中華の分裂と再生 : 3-13世紀 / [妹尾達彦ほか執筆]
    第10巻 イスラーム世界の発展 : 7-16世紀 / [佐藤次高ほか執筆]
    第11巻 中央ユーラシアの統合 : 9-16世紀 / [杉山正明ほか執筆]
    第12巻 遭遇と発見 : 異文化への視野 / [樺山紘一ほか執筆]
    第13巻 東アジア・東南アジア伝統社会の形成 : 16-18世紀 / [岸本美緒ほか執筆]
    第14巻 イスラーム・環インド洋世界 : 16-18世紀 / [羽田正ほか執筆]
    第15巻 商人と市場 : ネットワークの中の国家 / [松井透ほか執筆]
    第16巻 主権国家と啓蒙 : 16-18世紀 / [近藤和彦ほか執筆]
    第17巻 環大西洋革命 : 18世紀後半-1830年代 / [川北稔ほか執筆]
    第18巻 工業化と国民形成 : 18世紀末-20世紀初 / [福井憲彦ほか執筆]
    第19巻 移動と移民 : 地域を結ぶダイナミズム / [杉原薫ほか執筆]
    第20巻 アジアの「近代」 : 19世紀 / [浜下武志ほか執筆]
    第21巻 イスラーム世界とアフリカ : 18世紀末-20世紀初 / [小松久男ほか執筆]
    第22巻 産業と革新 : 資本主義の発展と変容 / [斎藤修ほか執筆]
    第23巻 アジアとヨーロッパ : 1900年代-20年代 / [山内昌之ほか執筆]
    第24巻 解放の光と影 : 1930年代-40年代 / [木畑洋一ほか執筆]
    第25巻 戦争と平和 : 未来へのメッセージ / [油井大三郎ほか執筆]
    第26巻 経済成長と国際緊張 : 1950年代-70年代 / [古田元夫ほか執筆]
    第27巻 ポスト冷戦から21世紀へ : 1980年代- / [山内昌之ほか執筆]
    第28巻 普遍と多元 : 現代文化へむけて / [樺山紘一ほか執筆]
    別巻 総目次・文献索引


    ◆「世界史史料 全12巻」(岩波書店)


    世界史史料〈6〉ヨーロッパ近代社会の形成から帝国主義へ―18, 19世紀世界史史料〈6〉ヨーロッパ近代社会の形成から帝国主義へ―18, 19世紀
    (2007/03)
    歴史学研究会

    商品詳細を見る


     2006年から刊行中の、本格的な世界史史料全集。重要な条約・宣言・法令のほか,時代と地域の性格を明らかに示す典型的な史料が日本語で読める。最新の研究成果をもとにした解説も有用。
     以下のリストでリンクしてないものは未刊。

    世界史史料〈1〉古代のオリエントと地中海世界
    世界史史料〈2〉南アジア・イスラーム世界・アフリカ
    世界史史料〈2〉南アジア・イスラーム世界・アフリカ
    世界史史料〈3〉東アジア・内陸アジア・東南アジア1―10世紀まで
    世界史史料〈4〉東アジア・内陸アジア・東南アジア 10―18世紀
    世界史史料〈5〉ヨーロッパ世界の成立と膨張―17世紀まで
    世界史史料〈6〉ヨーロッパ近代社会の形成から帝国主義へ―18, 19世紀
    世界史史料〈7〉南北アメリカ―先住民の世界から19世紀まで
    世界史史料〈8〉帝国主義と各地の抵抗1
    世界史史料〈9〉帝国主義と各地の抵抗 II ―東アジア・内陸アジア・東南アジア・オセアニア
    世界史史料〈11〉20世紀の世界 II ―第二次世界大戦後 冷戦と開発
    世界史史料〈12〉21世紀の世界へ 冷戦の終結・湾岸戦争/日本と世界 16世紀以後


    Cambridge Ancient History, Cambridge University Press, 17vols.
    New Cambridge Medieval History, Cambridge University Press, 7vols.
    New Cambridge Modern History, Cambridge University Press, 14vols.

     定番の通史。
     狭い意味での政治・社会の歴史にとどまらず,広く文化・思想の歴史にも詳しい。図版、索引、参考文献も充実しており、レファレンスとしても用いることができる(なお、近代史パートのThe New Cambridge Modern Historyには、旧版Cambridge modern history (1902-1924)にあった参考文献リストがないので、Roach, John. A bibliography of modern history. Cambridge: Cambridge University Press, 1968. を併用のこと)。

    [Cambridge Ancient History]
    v. 1, pt. 1 : Prolegomena and prehistory / edited by I.E.S. Edwards, C.J. Gadd, N.G.L. Hammond
    v. 1, pt. 2 : Early history of the Middle East / edited by I.E.S. Edwards, C.J. Gadd, N.G.L. Hammond
    v. 2, pt. 1 : History of the Middle East and the Aegean region c. 1800–1380 B.C./ edited by I.E.S. Edwards
    v. 2, pt. 2 : History of the Middle East and the Aegean region c. 1380–1000 B.C./ edited by I.E.S. Edwards
    v. 3, pt. 1 : The prehistory of the Balkans, and the Middle East and the Aegean world, tenth to eighth centuries B.C. / edited by John Boardman ... [et al.]
    v. 3, pt. 2 : The Assyrian and Babylonian Empires and other States of the Near East, from the Eighth to the Sixth Centuries B.C. / edited by John Boardman ... [et al.]
    v. 3, pt. 3 : The expansion of the Greek world, eighth to sixth centuries B.C. / edited by John Boardman, N.G.L. Hammond
    v. 4 : Persia, Greece and the Western Mediterranean, c. 525 to 479 B.C. / edited by John Boardman ... [et al.]
    v. 5 : The fifth century B.C. / edited by D.M. Lewis ... [et al.]
    v. 6 : The fourth century B.C. / edited by D.M. Lewis ... [et al.]
    v. 7, pt. 1 : The Hellenistic world / edited by F.W. Walbank ... [et al.]
    v. 7, pt. 2 : The Rise of Roma to 220 B.C. / edited by F.W. Walbank ... [et al.]
    v. 8 : Rome and the Mediterranean, 218-133 B.C. / edited by S.A. Cook, F.E. Adcock, M.P. Charlesworth
    v. 9 : The last age of the Roman Republic, 146-43 B.C. / edited by J.A. Crook, Andrew Lintott, Elizabeth Rawson
    v. 10 : The Augustan Empire, 43 B.C.-A.D. 69 / edited by Alan K. Bowman, Edward Champlin, Andrew Lintott
    v. 11 : The high empire, A.D. 70-192 / edited by Alan K. Bowman, Peter Garnsey, Dominic Rathbone
    v. 12 : The crisis of empire, A.D. 193-337 / edited by Alan K. Bowman, Peter Garnsey, Averil Cameron
    v. 13 : The late empire, A.D. 337-425 / edited by Averil Cameron, Peter Garnsey
    v. 14 : Late antiquity : empire and successors, A.D. 425-600 / edited by Averil Cameron, Bryan Ward-Perkins, Michael Whitby

    [New Cambridge Medieval History]
    v. 1. c. 500-c. 700 / edited by Paul Fouracre
    v. 2. c. 700-c. 900 / edited by Rosamond McKitterick
    v. 3. c. 900-c. 1024 / edited by Timothy Reuter
    v. 4. c. 1024-c. 1198 / edited by David Luscombe and Jonathan Riley-Smith
    v. 5. c. 1198-c. 1300 / edited by David Abulafia
    v. 6. c. 1300-c. 1415 / edited by Michael Jones
    v. 7. c. 1415-c. 1500 / edited by Christopher Allmand

    [New Cambridge Modern History]
    v. 1 : The Renaissance, 1493-1520 / edited by G.R. Potter
    v. 2 : The Reformation, 1520-1559 / edited by G.R. Elton
    v. 3 : The Counter-reformation and price revolution, 1559-1610 / edited by R. B. Wernham
    v. 4 : The decline of Spain and the Thirty Years War, 1609-48/59 / edited by J.P. Cooper
    v. 5 : The ascendancy of France, 1648-88 / edited by F.L. Carsten
    v. 6 : The rise of Great Britain and Russia, 1688-1715/25 / edited by J.S. Bromley
    v. 7 : The old regime, 1713-63 / edited by J. O. Lindsay
    v. 8 : The American and French revolutions, 1763-93 / edited by A. Goodwin
    v. 9 : War and peace in an age of upheaval, 1793-1830 / edited by C. W. Crawley
    v. 10 : The zenith of European power, 1830-70 / edited by J.P.T. Bury
    v. 11 : Material progress and world-wide problems, 1870-1898 / edited by F.H. Hinsley
    v. 12 : The shifting balance of world forces, 1898-1945 / edited by C.L. Mowat
    v. 13 : Companion volume / edited by Peter Burke
    v. 14 : Atlas / edited by H.C. Darby and Harold Fullard




     子どもの頃、子どもの本が嫌いだった。
     まして人が勧める本なんか手に取るのも嫌だった。

     そうした訳で、以下にあげるのは「ガキに読ませたくない」本である。
     教え諭すというより、張り合うつもりで選んだ。
     大人げないし、自分史上もっともイタいリストになった。

     なお、以下のリストには「必読書」の類いは一冊もない。
     本当は、世の中ぜんぶの本をひっくるめたって、読まなきゃいけないような本は存在しないのだが、もっと強い意味で、読まなくても全然構わない本ばかりを並べた。
     
     それでも、どれも本気でお勧めする。


    1.橋本治『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』


    花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈前編〉花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈前編〉
    (1995/06/25)
    橋本 治

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    花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈後編〉花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈後編〉
    (1995/06/25)
    橋本 治

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     この世にしっかり存在しているのに存在していないように扱われてきた世界を、存在してはならないと思われながらけれどしっかり現実に生きてきた言葉でもって、誰の目にもこれ以上にないくらいの明らかさで、この世に存在させてしまった本。
     普通は、少女マンガ評論の嚆矢とかドゥームズデイ・ブックと紹介される。
     人が何故読み書くのかを、そして書物がこの世界にいったい何のために存在しているのかを、パレードの先触れのように知らせてくれる。
     だから、このリストでも1番に挙げられる。

     併読書には、ほとんど同じ理由で、つまり現にありありと存在するのに、語る言葉も語る機会も周到に回避されてきたものについて、これ以上にないくらいの真摯さと明るさで語り示したものとして、イヴ・エンスラー『ヴァギナ・モノローグ』。

    ヴァギナ・モノローグヴァギナ・モノローグ
    (2002/12)
    イヴ エンスラー

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    2.葛野 浩昭『サンタクロースの大旅行』


    サンタクロースの大旅行 (岩波新書)サンタクロースの大旅行 (岩波新書)
    (1998/11)
    葛野 浩昭

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     本を読めという人間が大抵ろくに(そして、ろくな)本を読んでいないように、歴史を知れとのたまう連中の多くは、歴史を英雄伝か王朝交替もの、つまるところ自分たちを慰撫するおとぎ噺だと思ってる。
     人間の顔をした歴史なんか、そんな連中にまかせて、あるいはそんな連中は『ローマ人の物語』にでもまかせて、ここではモノが語る歴史(モノガタル歴史)の話をしよう。

     このジャンルのエントリーモデルとしては、世界史上最も成功したドラッグ「砂糖」を取り扱った(当然、茶やコーヒー、ソフトドリンクまでがその射程である)『砂糖の世界史』(岩波少年新書)がある。
     しかし、上にかかげた小さな書物があつかうのは、同じ「世界商品」でも、ずっと新しいもの、この神なき時代、《世俗化》する世界で、着々と版図を広げた宗教儀礼とその主役、すなわちクリスマスとサンタクロースである。
     言うまでもなく、我々が良く知っているあのサンタクロースは、スーパーマンやミッキマウすと同様にアメリカ製品である。ジャズ・エイジが鋳造し、コカコーラ社が世界中に派遣した童顔のじいさんは、アメリカン・ウェイ・オブ・ライフのエバンジェリストに他ならない。
     現にマーシャルプラン(ヨーロッパ復興計画)のドルによる経済支援が、ヨーロッパ中にアメリカ製品を溢れかえらせた1951年のクリスマス・イブには、フランス中東部のディジョンの街で、「教会の横領者にして異端者」として有罪判決を受け、サン=ベニーニュ・ド・ディジョン大聖堂前広場に集められた子どもたちの前で、サンタクロースは聖職者たちによって火あぶりに処せられた。近頃でも、「クリスマスの空疎な商業主義」を批判するドイツのカトリック司祭が2002年に始めた「サンタ・フリーゾーン(Santa-Free Zone、サンタ撤廃地域の意)」運動が、サンタの手からクリスマスを取り返すべく行われている。
     しかしヨーロッパでは、その原形である聖ニコラウス(東方教会では聖ニコラオス)の祭りは、太陽の死と再生を取り扱う冬至祭であり、この祭儀は魑魅魍魎を引き連れてやってくる、キリスト教伝来以前の鬼神信仰に由来する。一言でいえば、サンタクロースとはもともとナマハゲに他ならなかったのだ。
     ウソだとお思いか? 聖ニコラウスは子供を守る聖人ではなかったと言われるか? よろしい。では、ドイツの聖ニコラウス祭に欠かせないクランプスとシャープをお見せしよう(http://homepage.mac.com/yashirohaga/pages/europe/kra/krafla.html)。1997年には実際に、男鹿市の真山神社(いうまでもなくナマハゲの神社だ)を、ドイツのミッテンドルフのクランプスたちが訪れ、鬼同士の交流を深めている。
     まだまだ書きたいことはあるが(ものすごいネタの量そして密度なのだ)、概要を提供するのは本意でない。ここでは、ただ次の事実に注意を促すことでこの本から引き上げよう。
     歴史は、我々の予想は裏切っても期待は裏切らない王道バトルでも、まして適当なカタルシスを与えてくれる予定調和的コメディでもない。ただ知るだけで、現在目の当たりにしている当たり前のことたちが、その有り様が、一変することだってあるのだ。

     この本は、あなたのサンタクロース観を粉々にするかもしれない。
     それでもきっと、一読すれば、あなたは今よりサンタとクリスマスが好きになっているだろう。
     ひょっとすると、「一人きりのクリスマス」を回避するために恋人さがしに奔走する若者たちを、大目に見ることだってできるようになるかもしれない。
     そのあたりが、アメリカ的クリスマスへの反・商業主義的義憤をぶちまけるだけの原理主義的な(しかし何についての原理主義だ?)『クリスマスの文化史』みたいな本とは根本的に異なるところである。

     併読書には、ちょっと(いや結構)古いが、似非科学についての豊かなケース・スタディ(進化論に抗い結構な勢力を得ている創造科学、心は脳にあるというその唯物主義でヨーロッパ中の当局者を震え上がらせた骨相学、アカデミズムから軽蔑を受ける小さなサークルで生まれ育ち、最も成功した似非科学であり今では正規の(少なくとも)人文科学のうちに一定の勢力を築いたマルクス主義と精神分析まで)を取り揃えたロイ・ウォリス編 『排除される知』を……なに、絶版?

    On the Margins of Science (Sociological Review Monograph S.)On the Margins of Science (Sociological Review Monograph S.)
    (1978/08)
    Roy Wallis

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    3.ジェイ・ヘイリー『アンコモンセラピー』

    アンコモンセラピー―ミルトン・エリクソンのひらいた世界アンコモンセラピー―ミルトン・エリクソンのひらいた世界
    (2000/12)
    ジェイ ヘイリー

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     ミルトン・H・エリクソンのところに、人生をあきらめた21歳の女性から電話がかかってきた。
     電話の向こうで彼女は言った。「先生はどうせ私に会ってくれないでしょう」。
     ものすごい数の水玉模様の服を着て診察に現れたときも彼女は言った。「電話でもいいましたが、私もう死にます。父が死に、母も妹も死んで、何もないんですから」。
     打ちのめされた人がしばしばするように、彼女にはどんな申し出もはねのけ、あらゆる親切を疑い曲解する準備があった。今度の医者も、親切ごかしで自己満足に浸り、適当なウソを塗り込めて、ありもしない希望を持つように説得するものだと信じて疑わなかった。
     エリクソンにも、彼女が何を予期し期待し、あらかじめ失望しているのかがわかった。
     身の上話を聞いた後、エリクソンは尋ねた。
    「あなたの身長と体重を教えて下さい」
     彼女は非常に沈んだ調子で答えた。
    「身長は150cmです。体重は110キロと120キロの間です。私は不器量でデブのろくでなしです。誰でも私を見ると不快な顔をします」
     エリクソンは口を開いた。
    「本当のことを言っていませんね。私が簡潔に言いましょう。そうすれば、あなたは自分のことが分かるでしょうし、わたしがあなたを理解したということも分かるでしょうから。あなたは不器量でデブなろくでなしではありません。あなたは私が今まで見たなかで最も太っている醜い脂肪のかたまりです。あなたを診なければならないとおもうと、私はぞっとします。あなたは私が見たなかで最も醜い顔をしています。鼻は顔に埋まっています。歯並びはガタガタで、下あごは上あごと合っていません。ひたいもひどく狭い。服もものすごい数の水玉模様です。足は靴からはみだしてます。簡潔に言えば、あなたはぞっとするほど醜い人です。でもあなたは援助を必要としています。あなたは自分を助ける手段を学ぶ前に、自分のことを知る必要があります。でも、あなたにそれが耐えられるとは思いません。なぜ私のところに来たのですか?」
     彼女は答えた。
    「催眠に入れてもらえば、少しは痩せられるかもと思ったんです」
    「あなたを催眠に入れましょう。それから、あなたをけなすようなことを、いくつか言いたいと思います。目覚めているときには耐えられないでしょうが、トランス状態なら聞くことができるでしょう」
     エリクソンは彼女を催眠に入れ、彼女は催眠に入った。その後、彼女は自分の家族のことを話した。
    「父は私を嫌っていました。酔っぱらいでした。父は私をいつも蹴り上げました。母も同じだけど、先に死にました。父より私をひどく扱いました。私が高校を嫌っていることを知っていたので、私を高校へやりました。私と妹をガレージで生活させました。妹は背が低く太っていて、膀胱が体の外に飛び出てました。いつも病気でした。彼女が腎臓病で死んだ時、両親は『よかった』と言いました。私が愛した唯一の人を、彼らはただ埋めてしまいました。翌年、母は飲み過ぎて死にました。すると父はもっと性悪な女と結婚しました。彼女は残飯をガレージに持ってきて死ぬまで食べてよいと言いました。彼女も母のように酒飲みでした。ソーシャルワーカーも私を嫌っていました。福祉課は私に働くように言いました。私は床掃除の仕事につきました。そこの男たちは私をからかいます。彼らは、誰が私とセックスするか賭けをしています。でも誰もしないでしょう。私は全てにおいて駄目なんです。でも生きていたいんです。多分あなたは私を催眠に入れて何かしてくれるでしょう。でも何の役にも立たないと思います」
     エリクソンは答えず、彼女に質問した。
    「図書館がどんなところか知っていますか? 図書館へ行って人類学の本を借りて来なさい。男と結婚している、ありとあらゆる種類の、ぞっとするほど醜い女を見てほしいのです。図書館には彼らの写真があるでしょう。本を何冊も眺めて好奇心を旺盛にしなさい。それから、どのように男女が自分の外見を醜くするか、入れ墨をしたり腕を切り落としたりするのか、書いてある本を読みなさい。過ごせる時間のすべてを図書館で過ごしなさい。十分にそうしたら2週間後にまた会いましょう」
     2週間後、彼女はやって来て、尻の肥大した女性やアヒルのような唇の女性、キリンのような首をした女性などを見つけたと報告した。
     エリクソンは今度は、街の一番人通りの激しい通りで、既婚女性を観察するよう指示した。
     彼女は1週間観察を続けた。診察室にやって来て、自分と同じくらい不器量な女性が結婚指輪しているのを見て驚いたと話した。
     エリクソンは、再び図書館へ行って、今度は化粧の歴史について本を読むように言った。
     次の週、診察室に彼女が現れたときには、もう最初のときのような卑屈な態度はなかったが、服はまだ水玉模様だった。エリクソンは、また図書館へ行き服装やマナーの歴史の本を読むように言った。
     1週間後、彼女は課題をやり終えて、診察室に現れた。
    「今度は、今までで最も難しい課題です」
    エリクソンは彼女がやることを説明した。
     次の2週間、彼女は水玉模様の服を来て、ブティックというブティックを訪れ、店員にどんな服を来たらよいか教えてくれるように、丁寧にそして率直に尋ねることを繰り返した。多くのベテランの店員が「あらまあ」と彼女に声をかけ、なぜ水玉がたくさん描かれた服を着るべきでないか説明してくれた。
     次の2週間、彼女はなぜこれほどまでに体重をふやさなければいけないのか、なぜ脂肪に包まれていなければならないのか、考え続けるように言われた。2週間後、彼女はどんな理由も思いつけなかったと報告した。
     次の2週間、彼女は今の体重を維持しなければならない理由を見つけるように言われた。2週間ごとに診察室に彼女はやって来た。そして6ヶ月後、この体重を維持する理由は何も見つからないと、彼女はエリクソンに告げた。そして尋ねた。
    「自分に何ができるか、考えてもいいでしょうか?」

     ○   ○   ○

    (参考 「エリクソンによるエリクソン」)

     併読書には、何か調べものの本をあげたかったが、サービスとしてのレファレンス・ワークや問題解決のための調査技法といった本はいくらもあるのだけれど、自己陶冶のための調査入門といった本は見つけることができなかった(だから『図書館となら、できること』というシリーズを、このブログでちびちび書いているのだが。
     そんなわけで「どうやって問いをつくるか?」「何があれば、その問いに答えられるのか?」という話は調べものの大前提であることから『創造の方法学』にご登場願うことにした。

    創造の方法学 (講談社現代新書 553)創造の方法学 (講談社現代新書 553)
    (1979/09/18)
    高根 正昭

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    4.松田 道雄『恋愛なんかやめておけ』


    恋愛なんかやめておけ (朝日文庫)恋愛なんかやめておけ (朝日文庫)
    (1995/12)
    松田 道雄

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     最後が「子供向け」っぽい本になってしまったが、これ以上の本がないのだから仕方がない。

     多くの人に届かぬことを承知で書くが、人間関係のメンテナンスにエネルギーを費やすよりも、自分のために労力と時間は使った方がいい。

     コミュニケーションの問題は、早くから手をつけないと(出遅れると)取り返しがつかなくなるといった信仰が、希釈されながらも広がっているようだけれど、ぶっちゃけ同調圧力に身をゆだねることをコミュニケーションとは言わない。
     コミュニケーションが問われるとしたら、仲間内でない人間とまともに口が聞けるか聞いてもらえるかといった場面であって、この手のスキルを鍛えたいなら文通(メールじゃないぞ、手紙を書くのだ)でもやった方がはるかに有益だ。実のところ、まともに手紙が書ける大人なんてほんのわずかだが。

     学ぶことは、たとえ空間的には動かぬ時にも、移動することだ。今いる場所とは違うところへゆっくりとでも進むことなのだ(実際には空間的にも移動することが多い。自分が生まれ育ったのとは別の街で暮らし、行ったこともないところで一生を終えたいなら、学ばなければならない)。

     だから、より多く学ぶ人は、より多く別れる。

     異なる場所からはじまった二つの旅は、互いに異なる方向と速さで進んでいたからこそ交わったのだから、やがて離れていくことは半ば必然だ。

     学ぶものは移動する。
     しばらくすると、自分が元いた場所にいないことを知るだろう。
     同じように仲間と会っていても、同じように付き合えない自分に、知らぬ間に変わってしまった関係に気付くだろう。
     集うことと関係することの間にある圧倒的な違いに行き当たるだろう。

     さよならを言うときが来たのだ。

     ここから先は、あなた一人で進まなくてはならない。あなたを隠してくれる仲間はいない。けれど、あなたがおよそ言葉を交わすに足る人間なら出会うだろう。たった一人で、あなたに向かい合う人に。


     併読書は、子供には絶対分からない、ケストナー『人生処方詩集』。

    人生処方詩集 (ちくま文庫)人生処方詩集 (ちくま文庫)
    (1988/10)
    E. ケストナー

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     問題を根本的に解決しようとする場合に用いられてきた「メスを入れる」という比喩は、もちろん外科手術から来たものである。おおよそ、その意味するところは
    「悪いところ(患部)を見つけて、取り除く(それには痛みを伴う)」
    といったものだが、問題解決について自然に思えるこのアプローチは、実はかなり限界がある。
     世の中の解くべき問題の多くは、問題を特定して取り除いたり置き換えたりする「外科手術的介入」では解決しない、あるいはそうした解決が問題の一部になってしまう(そのため解決に取り組めば取り組むほど問題をこじらせる/長引かせる)ことが少なくない。

     先の記事 「もがけばもがくほど蟻地獄」状態に陥った時の抜け方、やり方、考え方 読書猿Classic: between / beyond readers 「もがけばもがくほど蟻地獄」状態に陥った時の抜け方、やり方、考え方 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加 では、こうした逆説的な問題に対する、逆説的な解決方略のひとつ「症状処方」を紹介した。
     今回はより網羅的に、逆説的問題の悪循環をほどく方法を紹介したい。

     今回、説明のためにとりあげた事例は、いずれも個人ないし個人間(インターパーソナル)なレベルのものだが、より大規模なシステム(集団や組織や社会レベル)の問題にも、原理的には応用可能なはずである。その方向へ展開していく用意が今のところ整わないので、長い宿題としたい。


     なお、以下の説明は、長谷川啓三『家族内パラドックス』(彩古書房、1987)に寄っている。
     この本が現在も容易に手に入るなら、この記事は無用なものだと思う。

    家族内パラドックス (サイコブックス)家族内パラドックス (サイコブックス)
    (1987/10)
    長谷川 啓三

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    過重課題

     自然に起こるはずのことを努力してしまい、かえってできなくなるパターンの悪循環問題に用いるものである。

     先の記事でとりあげた不眠症がこの悪循環問題の一例である。
     眠ろうとして、様々な(ありとあらゆる)努力をすればするほど、意識が覚醒して眠れなくなるという悪循環ができている。

     強迫的な行動の繰り返しもまた、同様の悪循環を構成している。
     つまり、その行動をやめようと努めることで、その行動にすべて注意を注ぐことで、他の行動が減り、抑えたい行動が強迫的なものになってしまっているのだ。
     
     インポテンツや不感症といったものも、同様の悪循環であることは理解しやすいだろう。


     過重課題とは、目的の行動のかわりに(あるいは追加して)、もっと大変(過重)(かつナンセンス)な課題をやってもらうものである。

     先にあげた例に対応させて説明する。

     眠れない人には、眠れないなら一晩中トイレや台所や床を磨くことを課題にする。あるいは、目をつぶりたくなっても、がまんして目をあけつづける(まばたきもだめ)、これを数回耐えてから、目をつぶるなど。

     強迫行動、たとえば「手を洗わずにはいられない」人には、手をだけでなく腕や顔や足まで洗ってもらう。専用のせっけんを持ち歩く、自分だけでなく他人にも洗うのを手伝ってもらうなど。


     やろうとすればするほど(逆に、やめようとすればするほど)ダメなことは、やろうとする(やめようとする)努力が、かえって問題行動との間に悪循環ループを形成している。

     このループを切り替えるために、ループの回転に余分な力を加える。
     つまり、いつもの努力よりも、より大変でかつより無意味なことを「課題」にする。
     すると、「そんなバカバカしいことやるくらいなら」と、ループを抜けることができる。
     すなわち、問題の悪循環がほどける。


    症状処方

     症状処方とは、問題になっている当の「症状」を意識的に行うよう指示するものである。

     例えば、手や足の震えを止めようと努めることで、筋肉を緊張させ、余計に「ふるえ」を引き起こしてしまう。
     解決の努力が、ここでも問題の一部となっている。

     「ふるえ」という症状を抑えることができない悪循環を組みかえるのに、症状を持っている人に対して
    「もっと、ふるえてください。もっと大きく、もっと速く」
    という指示を行う。すなわち、「症状」を処方する。

     指示通りに、より「ふるえる」ことができれば、それは「ふるえ」をコントロールできたことになる。
     実際、より「ふるえる」ことができた場合には、しばらく「ふるえて」もらった後、「もういいですよ」と声をかけると、ふるえが止まる。

     症状処方は、その処方(指示)に従わない(いずれにせよ従えない)ことが、問題の解決(少なくも悪循環からの出口)になっている。
     パラドクス的な状況に対して、別のパラドクスな指示を行う(パラドクスを処方する)ことで、組み変えているとも言えるだろう。


    免疫法

     人見知りを直したいという人。
     人に無視されるのが怖くて、人と会うのを避けてしまう、という。

     恐怖や不安は、やっかいなことに、それを回避すると、余計に増強してしまう。
     つまり恐怖・不安→回避→より強い恐怖・不安→さらに回避→もっとより強い恐怖・不安→……という悪循環ができあがる。
     このため、最初は小さな不安であり、問題のない回避だったものが、日常生活に支障をきたすほど大きく激しいものに育ってしまうことがある。
     他の人がみると「なぜこれくらいのことが?」と思うようなことでも、恐怖・不安と回避の悪循環のせいで、耐え切れないほどの恐怖・不安を生むに至ったのだ。

     では、どうするか? 

     回避が恐怖・不安を増強するなら、悪循環を逆回転させるには、恐怖・不安を回避せず、直面するしかない。
     直面するしかないのだが、ただ「直面しろ」と指示しても、そのような指示には誰も従わないだろう。あるいは、そんなことは散々しようとしてきた、でも駄目だったんだ、という反発を生むだけだろう。

     では、どうするか? 

     実はこれも広義の「症状処方」なのだが、この場合は、恐怖・不安を処方する。そして、その名のとおり、免疫をつけることに主眼がある。
     ただ「恐怖・不安を処方」するだけでは、「恐怖・不安に直面しろ」と指示ないしお説教するのと変わらないので、少し工夫する。

     「人に無視されるのはつらいですね。人間だし、当然のことです。相手がどういう反応をするかわからないし。でも、つらいあまりに、誰にも会えないというのをなんとかしたい訳ですね。少しでも、無視されるつらさが減ったらいいんですが。
     そこで、なれる練習をしてもらいたいのです。ええ、『無視されるつらさ』になれる練習です。
     毎日2人の人に挨拶して、わざと無視されてみてください。
     但し、この練習は、はじめての方には大変しんどい練習なので、無視されることに失敗しても、それ以上練習してはいけません。無視されるために挨拶するのは一日2人までです。これは守って下さい。ええ、普通の挨拶は、何人にしてもかまいません。無視されるために挨拶するのが、1日2人まで、です」

     おわかりのように、ここでも、あえて失敗することを「処方」している。

     そして、指示とおりに失敗しても(つまり挨拶して無視されても)、これは指示どおりやれたことで、小さな満足が得られる。そして恐怖・不安を引き起す場面に直面することが、結果としてできている。
     そして(こちらがより起こりやすいのだが)、失敗することを失敗しても(つまり、挨拶して無視されなくても)、こちらから人に関わっても無視されるばかりではない、という経験が得られる。恐怖・不安を引き起す場面は生じるとは限らないことを体験することでも、人は対人不安や恐怖を越えることができる。


    研究指示

     研究指示も、免疫法と同様に、回避による悪循環をほどくのに用いる。
     こちらは、試験前の勉強回避など、やらなくてはいけないのはわかってるけれど、やりたくないしやらない、といった回避について用いられる。

     「四の五言わずに、とっととやれ」
    というのもひとつの方法である。結構、効く。効き目がある場合は少なくない。

     その他、やることのメリットとデメリットをはっきりさせる、書き出す、などなど、ニーズが高い問題なので、解決法もまた多い。

     だが、これらで万事解決なら、そもそも問題解決ニーズはここまで高くなく、ぐずぐず主義(procrastination)の解決法も、ここまで氾濫しないだろう。

     わかっちゃいるけど、そして実はものすごく動機付けは高いのだけれど、かえってそのために行動を回避する場合には、力押しは悪循環の一翼を担う。

     「なるほど。勉強(練習)しなければならないことはもう重々承知しているし、むしろ、その気持ちが強すぎるくらいだと。確かにそうかもしれませんね。……では、こうしてみてください。机(ピアノ)の前に座って、いえ勉強(練習)ではなく、自分の動機付けと理想の高さについて研究してみてください。あまり長過ぎてもいけないから、1日5分だけ、この研究に時間を使うように。その間は、決して勉強(練習)してはいけません。ええ、絶対にです。それから、これは非常に重要な点ですが、研究は必ず机(ピアノ)の前に座って行うように。くれぐれも研究の間は、勉強(練習)しないでください」

     当然ながら、この指示は真剣に行われなくてはならない。
     やってもやらなくても別に構わない、といった雰囲気が少しでもあれば、研究指示からの回避、すなわち勉強(練習)への回避は生じない。

     たとえ回避を禁じても、その指示が守られないような場合、回避の禁止自体が回避以外の行動を抑制している可能性がある。
     研究指示は、およそ無意味なことをやるよう求める指示である。
     しかしもう一つの側面がある。
     それは(少しややこしいが)回避を回避することについての禁止である。
     さらに言えば、自身が回避していることについての直面化を求める指示である。
     自分が回避し続けていることは、もちろん愉快なことではない。したがって、その直面化はいくらか不快なことである。
     この直面化は避けることができる。それは、この研究指示を守らないこと、いや守ることに失敗することだ。
     この失敗は、もちろん、イコール勉強(練習)をすることである。

     「この指示は、私には難しすぎるみたいです。ええ、失敗しました。おもわず勉強(練習)してしまいました。研究結果? ええ、確かに動機付けと理想は、高すぎるみたいです」
    「そうですか。失敗したことは仕方ありません。ですが、次はうまくいくよう頑張ってみて下さい。どうしても失敗してしまったら、そのときは、できるだけダラダラと勉強(練習)するように。しゃかりきになってやってはいけませんよ」


    (その他の参考文献)
    ソリューション・バンク―ブリーフセラピーの哲学と新展開ソリューション・バンク―ブリーフセラピーの哲学と新展開
    (2005/07)
    長谷川 啓三

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    人間コミュニケーションの語用論 第2版―相互作用パターン、病理とパラドックスの研究人間コミュニケーションの語用論 第2版―相互作用パターン、病理とパラドックスの研究
    (2007/10)
    ポール・ワツラヴィック

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    希望の心理学―そのパラドキシカルアプローチ (りぶらりあ選書)希望の心理学―そのパラドキシカルアプローチ (りぶらりあ選書)
    (1987/03)
    ポール・ワッラウィック

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