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     Google v.s. 図書館、といってもノエル・ジャンヌネーに出番があるような、大きな(?)話ではない。

    Googleとの闘い―文化の多様性を守るためにGoogleとの闘い―文化の多様性を守るために
    (2007/11)
    ジャン‐ノエル ジャンヌネー

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     Googleと、図書館に普通にある紙のレファレンス(参考図書)の両方で、同じ探しものをして、競わせようという目論みである。


     勝負はホーム&アウェイ方式で行う。

     今回は図書館側のホームということで、紙のレファレンス(参考図書)だけで解決できたレファレンス事例から出題する。
     つまり図書館側は解けて当然の問題だが、解決事例を通じて図書館での調べもの入門(イントロダクション)と、Googleを使っての調べものの実例になることを期待している。

     Googleに日常から親しんでいる人たちが、「紙のレファレンス(参考図書)も、なかなかやるじゃないか」と思うなら望外の喜びである。



     では戦いの前に「模範演技」を見ておこう。紙のレファレンス(参考図書)の力を示す例として、ちょっと有名なやつを。



    Q0-1.「廻転鳥」は何と読むか?


     読みがなについては、漢和辞典の部首索引や画数索引をわざわざ使わなくても、コピペさえすれば、検索エンジンで簡単に調べられるようになった。
     だが、今回のケースでは、こうなる。

    「廻転鳥」でググる


    Yahoo知恵袋
    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?queId=8451014
    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q138995243

    レファレンス協同データーベース

    下記資料を見たが発見できず。
    ・難読語辞典 音訓引き 日外アソシエーツ辞書編集部/編 日外アソシエーツ 1993.7
    ・あて字用例辞典 名作にみる日本語表記のたのしみ 杉本つとむ/編 雄山閣出版 1994.1
    ・当て字の辞典 日常漢字の訓よみ辞典東京堂出版編集部/編 東京堂出版 1991.6
    ・宛字外来語辞典 宛字外来語辞典編集委員会/編 柏書房 1991.2
    ・大漢和辞典  諸橋轍次/著大修館書店 1989
    ・日本国語大辞典  日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2000.12
    ・ 図説日本鳥名由来辞典 菅原浩/編著柏書房 1993.3
     (香川県立図書館)
    http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000004473


     Yahoo知恵袋の怪しげな解答を除けば、あとは「わからない」というサイトばかりだ。
     特に、香川県立図書館のレファレンス事例は、かなりの数の紙のレファレンスを確認しても分からなかったことを伝えている。
     プロがここまで調べて分からないものを、だいたいGoogleなんかで何とかしようというのが間違いなのだろうか?
     

     あきらめるのは早い。

     あなたがもし今、図書館の参考図書のコーナーにいるとしたら、どうするだろうか?
     大部な『日本国語大辞典』や『大漢和辞典』を見てもみつからなかった。これ以上どうすればいいのか?

     何を調べていいか分からないのだから、まずは何で調べればいいかを探すのだ。つまりレファレンスのレファレンスを使うのだ。

     すると、難読辞典や難訓辞典と呼ばれるものがあることが分かるだろう。
     こんな場合、たとえば中山泰昌『難訓辞典』(東京堂書店 1956)という古い辞書が役に立つ。

    難訓辞典難訓辞典
    (1956/12)
    中山 泰昌

    商品詳細を見る

    この辞典は、『日本国語大辞典』や『大漢和辞典』ほどメジャーではないが、そういうメジャーどころで答えが出ない読みで力を発揮する、わりと知られた存在だ。古書市場にも結構出まわっていて割と安く手に入る。

    平成17年度国立大学法人等 職員採用(図書系)二次試験問題

    【No.24】 利用者から以下の質問があった場合に使用する参考図書として最も適切なものを下から選んで記号で゙答えなさい。
    (1) Linuxの開発者であるLinus Torvaldsの経歴を知りたい。 (2) ヘルシンキの10月の平均気温を知りたい。 (3) 芬蘭とはどの国のことか。 (4) 鴻上尚史のエッセイ「ドンキホーテのピアス 349回」が雑誌Spa!のどの号に掲載されたか知りたい。

    a. Biography index b. Current biography c. 大漢和辞典 d. 難訓辞典 e. 大宅壮一文庫雑誌記事索引 f. 理科年表 g. 世界の統計 h. 雑誌記事索引


    http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/saiyoshiken/kakomon/17kakomon.pdf



     そうした辞書が手元になくても、図書館に行く時間がとれなくても、こうした「紙のレファレンス」についてのちょっとした知識があれば、あるいはこうした「紙のレファレンス」を探し出すツールが手元にあって使うことができれば、先の記事

    googleで賢く探すために最低知っておくべき5つのこと 読書猿Classic: between / beyond readers googleで賢く探すために最低知っておくべき5つのこと 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加

    で書いた「5.(推測する)探しているものがどんなページにあるかを推測して検索」というアプローチが使える。
     今の場合なら、検索語に「難訓辞典」という語を追加することに思い至る訳だ。すると、こうなる。


    「"廻転鳥" "難訓辞典"」でググる


     廻転鳥は「うぐいす」と読むことがわかる。


     この例から得られる教訓のひとつは、こうだ。

     ある書物の全文がネットを通じてアクセスできる場合を除くと、検索エンジンが見つけることができるのは、結局のところ、誰かが探した結果だけである。
     だからこそ正解に至るアプローチが推測できるならば、(信頼し得る)誰かが探した結果を見つけ出す可能性は高まる。
     つまり、どのような場合にどんな紙のレファレンス(参考図書)を使うのか知っていれば、自分が探している検索結果に何が含まれている(べき)か、予想がつく。
     辞典や百科事典、それに図書館のレファレンス事例集までもネットで検索できる時代に、どのような紙のレファレンスを手元に置くべきか、そのヒントがこんなところにあるかもしれない。


     いきなりGoogleに塩をおくる格好になったが、「Googleが強くなれば、図書館も強くなる」と考えることだってできる。

     レファレンス事例集を見ると、調べものの「とっかかり」を得るのに、ネットの検索を使うケースは多いことがわかる。


    Q0-2.旅人を捕らえてベッドに寝かせ、足がはみ出れば切断し、足りなければ引き伸したのは誰で、何に出てくる話だっけ?



     レファレンスワークの教科書に出てくる例だが、ギリシア神話の英雄のひとりテセウスが登場する話だと思い出せないとつらい。うろ覚えでもいいから何かないと、紙のレファレンスを引く検索語が決められない。
     教科書でも結局、CDROM版の百科事典の全文検索をつかっている。
     
     こうした場合でも、適当に検索すれば、ほとんど答えに近いものが手に入る。
     ネットの情報が信頼性が低いというなら、それから紙のレファレンスを使えばいい。


    「旅人 ベッド 引き伸ばす」でググる


    ・「器具の歴史/引き伸ばし  人間の身体を強引に引き伸ばすことで苦痛を与えるタイプの拷問具は案外ポピュラーなものであった。」というページ
    ・「旅人を捕らえては長すぎる足をベッドに合わせて切り、短い足は引き伸ばしたギリシア神話の ...」というページ
    ・「英雄テセウスの伝説」というページ

    などが見つかる。
     「英雄テセウスの伝説」というページで、

    “「引き伸ばす男(プロクルステス)」というあだ名を持つダマステス。別名「財産持ち」ポリュペモンとも言われる。彼は旅人を自分の家に泊めてやり……”

    なる記述を見つけることができた。


    ……まくらを書き過ぎてしまった。


    お題だけを出して、実際の勝負は日を改めることにしよう。


    Q1.山田詠美の作品に関する書評をできるだけたくさん見たい。

    Q2.「不撓不屈」という言葉の出典は?

    Q3.漱石の『三四郎』に「十六武蔵ぐらいの大きさの薄い円盤」という表現があるが、いったいどれくらいの大きさか?

    Q4.第二次グラッドストン内閣の時代に、ニューヨークからロンドンへ行くには、どんな経路で、運賃はいくらだったか?

    Q5.東大総長のいった「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」の出典が知りたい。








     
     不躾なことを言えば、誰かが読んだ本なんて興味がないのだ。
     だから「釣った魚」じゃなく、その「釣り竿」の方をよこしてくれ。

     そのようなことを長らく考えていた。

     もっとも「釣り竿」=本の見つけ方、出会い方、探し方について、自分でも書き始めたのは、随分最近になってからなのだが。


     実は、本の「釣り竿」について書くのなら、真っ先に紹介すべきだった本がある。
     
     あの『日本書誌の書誌』や『日本の参考図書』と並べられるべき仕事であり、いや後で述べる理由から、その両書よりも先に紹介すべきだと考えられる書物である。

     ところが、たとえば『情報源としてのレファレンスブックス』のような版を重ねたこの方面の案内書は、この本をとりあげていない。

     何故だろう? 

     ようやく、その答えが思いついた。

     これは、レファレンス・カウンターの内側にいる者よりむしろ、その外側にいる者こそが手にすべきレファレンスブックなのだ。

     
     世の中には、参考図書(レファレンスブック)と呼ばれる書物がある。

     その中に事項を集成した辞典、事典はその一種である。こちらの方が一般に親しまれている。
     辞典、事典でないレファレンスブックの代表的なものが、書誌である。
     書誌は、索引と同様に、他の文献への案内や指示を任務としている。我々を一次文献に導いてくれる二次文献である。
     書物についての情報、書物の体裁・内容・成立の事情、またこれらについての記述を書誌というが、レファレンスブックとしての書誌は、特定の主題について編集された文献リストをいう。書物についてのリンク集のようなものだ。

     よくできたリンク集が検索の手間を省かせ、時には独力では出会えなかったサイトへと導いてくれるように、書誌もまた書物について同様のことをしてくれる。書物には、そのコンテンツまでを網羅的に検索できる検索エンジンはないから、書誌にはサイトにおけるリンク集以上の価値がある。

     さて、世にある数多の本を、それぞれの主題から切り取った様々な書誌が存在することは想像に難くない。
     それらの書誌を探すために、「書誌」を主題にした、つまり書誌という書誌をリストアップした書誌が存在する。すなわち我々を二次文献へ導いてくれる三次文献である

     天野敬太郎『日本書誌の書誌』を、そのような本の代表として取り上げても咎は生じないだろう。
     天野敬太郎については別に書くかもしれない(随分前につぶやいた「マッド・ヒューマニスト/人文学における「狂」の系譜」の第一回目に登場させようと思っていたのだけれど、すご過ぎて、未だ書けそうにない)。

     世の中に完全な書誌はない。
     書誌作成者はそれを知りながら、しかしその主題についての完全な書誌を目指す。そのテーマに関するすべての書物を挙げ尽くそうという、狂おしいばかりの情熱なくしては、書誌はそもそも企てられさえしない。こうした情熱に駆動されているからこそ、書誌は、素人が逆立ちしてもたどり着かないような文献を、その懐に抱くことができるのだ。

     書誌の書誌である、この『日本書誌の書誌』には、その青い炎のように涼やかにさえ見える情熱が倍加されている。

    日本書誌の書誌 (主題編3) (文圃文献類従 (9))日本書誌の書誌 (主題編3) (文圃文献類従 (9))
    (2006/09)
    天野 敬太郎

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    日本書誌の書誌〈総載編〉 (1973年)

    日本書誌の書誌〈主題編 1〉 (1981年)

    日本書誌の書誌〈主題編 2〉―芸術・芸能・語学・文学

    日本書誌の書誌〈人物編 1〉芸術・芸能・語学・文学


     書誌といっても、一冊の書物をなすものばかりではない。自分の関心から、いくらかの書物についてリストを作ればそれが書誌なのだから、世に書物の種が尽きぬように、書誌の数など限りがあるものではない。ごく限定された人間にだけが目にし得る、全部で10部しか刷られない私家本の書誌など、いくらもある。
     しかし、そういう見逃しても良さそうなものまで、天野の目から逃れるものなどないのだろうかと驚嘆せざるを得ない、『日本書誌の書誌』はそんな本なのだ。地方のどうでもいい歌詠み仲間たちのつくった同人誌に、ほんの数ページのった書誌だとか、正直言ってそんなものない方がいいんじゃないかというものまで、天野の手は逃さない。

     『日本の参考図書』については、何度か触れたことがある。

    日本の参考図書日本の参考図書
    (2002/09)
    日本図書館協会日本の参考図書編集委員会

    商品詳細を見る


     書誌に限らず、辞書・事典を含めた参考図書のうち代表的なものを、日本十進分類に基づき分類した「参考図書の参考図書」である。

     
     さて、いま三次文献、レファレンスのレファレンスで、代表的なものを2つあげたが、これらは基本的にライブラリアンのツールである。
     日本十進分類といったが、あらゆる書物、あらゆる知へのゲートウェイとして、それらへの案内・参照を体系立てて格納したものが、今挙げたレファレンスのレファレンスだ。
     原理的には、誰のどんな知的好奇心がたずねてきても対応できるようにライブラリアンは備えなければならない。だからこそ、そうしたすべての知についての分類体系が必要だし、そうした体系に基づき参考図書を配した書物が必要なのだ。

     しかし我々は、一般の図書館ユーザーは、自分の関心のある書物、広げて関心のある分野の書物たち(への書誌)だけを手に取ればいいのであって、すべての知に手を広げる必要はない。

     一ユーザーとして『日本の参考図書』を広げたとしよう。
     例えば、あなたは今、宮沢賢治についての本を探している。
     この時、『日本の参考図書』のどのページを開くべきだろうか?
     この本の分類体系に沿って、いわばトップダウンに、今の場合ならば、文学→日本文学→文学者→近代へと、より大きなカテゴリーからより小さなカテゴリーへと降りていく。
     わかりやすさのために簡単にいえば、これがレファレンスを使う者(レファレンサー)の思考過程だ。あるいは、これこそレファレンス・ワークと呼ばれているものの骨法だ。
     しかし、分類体系に親しんでいない一ユーザーなれば、体系を順に降りてくることなどせずに、まずは索引に当たるだろう。我々は本を探しているのだから書名索引は使えない※。
     『日本の参考図書』には、あと事項索引がある。だが、事項索引になければ?
     その時は分類体系に戻り、自分が探しているものがどのカテゴリーの下位項目なのかに思いめぐらせる必要がある。

    >※実際はテーマをタイトルにした本は少なくないから書名索引は強力な武器になる。逆に、写っているもの(被写体)とてんで関係のないタイトルがつけられることの多い写真集などは、レファレンサー泣かせである。この方面で先鞭を付けたのが『写真集全情報45‐90』(日外アソシエーツ)だった。15000の写真集・写真関連書籍を集め、それらを被写体について分類してある。後続書に『画集写真集 全情報91/96』『画集写真集全情報1997-2001』『画集写真集全情報2002‐2006』がある。

     
     ここまできて、片山喜八郎・太田映子共編『邦語文献を対象とする参考調査便覧』(書誌研究の会)について話すことができる。
     『邦語文献を対象とする参考調査便覧』もまた、ライブラリアンのツールであり、NDCに基づき周到に分類統制されている。
     扱うのは書誌はもちろん、ほとんどあらゆるレファレンス関連書籍、すなわち、解題、研究史、書誌、物品目録、巻末・章末参考文献、年譜、年表、年鑑、年報、白書、統計、人名事典、団体・機関名簿、辞典、事典、索引、便覧、総覧、ハンドブック、雑誌目録、総目次、総索引、AV資料、図鑑、図版、地図などである。

     では、何が違うのか?

     いつにもまして長い枕から想像がつくように、『邦語文献を対象とする参考調査便覧』では、分類体系を降りていく必要がない。恐ろしい数(3万!)の主題語索引があって、探したい事項をひけば、ほぼダイレクトに必要な個所へ到達できる。
     これだけのキーワード検索を用意しながら、編者は索くよりも、NDCを頼りにこのレファレンスを読んでいくことを推奨しているが(確かにそれはレファレンサーの頭脳を強靭たらしめることだろう)、そう申し添える必要を感じるほどの主題語索引と言うこともできる。

     1986年に刊行された初版にして、これだけの書物であった。
     現行版は、元々CD-ROMで提供される予定で、これに一覧性を補う目的でキーワード一覧の別刷りがつくというものだったが、求める声に押されて書籍版(CD-ROMの補遺版付き)も提供されている。詳しくは書誌研究の会のページをご覧あれhttp://www.cc9.ne.jp/~shoshi/sankou.html
     ぜひとも、図書館で手に取り、書誌やその他参考図書を使って書物の森に遊ぶ愉楽に浸っていただきたい。






     検索オプションや演算子の紹介や「辞典になる」「電卓になる」みたいな機能紹介は省く(これについては、googleのヘルプか、たとえばここhttp://search.web-sun.com/g_help.htmlを参照)。

     以下では、基本の考え方と、それを受けて、では具体的にどう検索するかを、いくつかの事例をつかって簡単に説明する。

     どれも知っている人には当たり前のことばかりだが、このあたりのことをまとめたものは意外に少ないようなので、メモ代わりになるようにまとめてみた。

     まとめたのは最低限のものであって、取り上げるべき事項は他にもいろいろあるだろうが、簡素なのがウリということで。

     考え方は、googleで検索するときだけでなく、調べもの全般に用いることができると思う。



    1.(基本)「○○について××が知りたい」→検索語「○○ ××」

    [例]富士山の高さが知りたい

    (考え方)
    →富士山の高さが知りたい→「富士山」(○○)について「高さ」(××)が知りたい→検索語「富士山(○○) 高さ(××)」

    (探し方)
    「富士山 高さ」でググる



     探しものは、〈何〉について〈どんな側面〉が知りたいかを明確にするところから始まる。
     上の例で言えば〈何〉は「富士山」であり、〈どんな側面〉は「高さ」である。



    2.(絞り込む)何の一種かを考えて、キーワードに加える

    [例]学校の聖堂にかけてあった子供がお祈りしている絵のタイトルが知りたい

    (考え方)
    →画像検索を使おう→聖堂にあった絵だから英語で検索→検索語「child」「pray」→探しているのは絵画の一種だから「painting」や「fine art」をキーワードに加えて絞っていく

    (探し方)
    「child pray fine art」でgoogle画像検索



    ちなみにこの事例で探していたのはこの絵。

    child_prophet_samuel_in_prayer-400.jpg

    The Infant Samuel (circa 1776)
    Joshua Reynolds
    Musee Fabre, Montpellier, France
    Tate Britain, London, United Kingdom



    3.(広げる)関連語を使って表現のゆれに対処する

    〈追記〉残念ながらこの機能は利用できなくなったが、現在は自動的に関連語についても検索してくれる
     
    (参考)Google Kills Tilde Search Operator


    [例]ソクラテスが言ったという「近頃の若者は年長者を敬わない」とかいう言葉を探す

    (考え方)
    →(とりあえず英訳を探すとして)「若者」に当たる語としてyouthをつかうかyoungをつかうか、はたまたchildか、それともkidsか迷う。「敬わない」もdisrespectかdon't obeyかいろいろ迷う。→思いつく限り「|」(「または」を意味する)で区切って並べる。

    (探し方)googleの関連語検索を使う。検索語の前に「~」(チルダ)をつけると関連語を含めて検索できる。
    「~child」なら「child」の他に、「boy」「girl」「baby」「kids」「young」などでも検索してくれる。

    「~child ~disrespect ~elder socrates」でググる




    いまは自動的に関連語についても検索してくれるので
    child disrespect elder socrates」でググっても大丈夫


    どんな関連語を使ってくれるのか確かめたい場合は「~」と「-」を組み合わせる。これで関連語だけの検索結果を出してくれる。

    「~child -child」でググる



    3’.数字があやふやな場合は、範囲を指定して検索する

    [例]キングコングは何年に制作された映画か?

    (考え方)
    →映画なんで多分20世紀に入ってからだろう。カラーじゃなかったので20世紀前半か?

    (探し方)
    →googleの数字範囲指定を使う。1900から1950の間の数字を指定するには「1900..1950」とする。

    「King Kong 1900..1950」でググる






    4.(推測する)探しているものがどんな形で出現するかを推測して検索

    [例]江戸時代の一両は今のお金に換算するといくらぐらいなのか?

    (考え方)
    →答えは「一両は今の○○」という形をしているはず

    (探し方)
    「一両は今の」でググる





    [例]画像のPNG形式の「PNG」は何と読むのか?


    (考え方)
    →答えは「PNGは○○と読む」という形をしているはず

    (探し方)ワイルドカードを使う。「 * 」の部分を任意の文字に置き換えて検索してくれる。
    →「"PNGは* と読む"」「"PNGは*と発音する"」でググる
    →「"PNG is pronounced*"」「"*pronounce PNG as *"」でググる



    ※語順も大事なので「""」(クォーテーションマーク)で囲んでフレーズ検索する。


    [例]「血を吸う」を英語でなんというか?

    (考え方)誰が血を吸うのかを考える→蚊mosquitoや吸血鬼vampireが血bloodを吸う→答えは「mosquito ○○ blood」「vampire ○○ blood」となるはず(○○のところに動詞「(血を)吸う」がでてくるはず)

    (探し方)
    →「"mosquito * blood"」でググる



    5.(推測する)探しているものがどんなページにあるかを推測して検索

    [例]柚子ジャムの作り方(レシピ)が欲しい

    (考え方)
    →ジャムだから材料に砂糖は要るはず→レシピだから、材料名の他にグラム数が入っているはず

    (探し方)
    「柚子ジャム 砂糖 グラム」でググる




    [例]公共経済学の教科書のオススメは?

    (考え方)
    →公共経済学の教科書を使うのは?→大学の授業→大学のシラバス(授業概要)のページに欲しい情報はあるのでは?

    (探し方)siteオプションを使って検索するドメインを大学・教育機関に限定する
    「"公共経済学" 教科書 シラバス site:ac.jp」でググる





    [例]欧文の文献を引いた「近頃(最近)の若者は」の記事

    (考え方)
    →欧文の文献リストに使われる表記が出ているはず

    (探し方)
    →例えば多数の著者がいる場合に用いられる"et al."が入っているページが求めるもの

    「"近頃の若者は"|"最近の若者は" "et al."」でググる





    (参考)
    GoogleGuide making searching even easier

    ・(上記サイト内のチートシート)
    Google Guide Quick Reference: Google Advanced Operators (Cheat Sheet)


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