2011.12.31
1年の計はこれでいく→記憶の定着度を4倍にする〈記憶工程表〉の作り方
いろいろな記憶の方法(方略)があるけれど、記憶ニーズから考えると普通の人に求められているのは、feat of memory見世物や記憶のスプリント競技に必要な、円周率を何桁も覚えるような少種類大容量タイプの記憶術ではない。
むしろ必要なのは、多種類の事項について長期にメンテナンスできるような記憶方略である。
繰り返し、間隔を次第に広げながら(例えば1日後、3日後、7日後……という具合に)復習していくスペースド・リハーサルについては、次の記事で書いた。
復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる 読書猿Classic: between / beyond readers


スペースド・リハーサルは単純な暗唱ものから文章理解から技能習得に至るまで有効だが、最大の欠点は〈面倒くさい〉ことである。
最初のうちはいいが、学習をはじめて何十日か経つと、復習すべき項目が〈1日前覚えた項目〉〈3日前覚えた項目〉〈7日前覚えた項目〉……と積み重なってきて、しかも復習までの期間が広がっていくわけだから、とっさに今日はどれを復習すればいいかが分かりにくくなる。
対策はいくつかある。
一番楽なのは、スペースド・リハーサルを機能に取り入れていて復習のタイミングをお任せできるソフトフェアやアプリやサービスを利用することである。
しかし既存のソフトやサービスで、自分が学びたいコンテンツが使えるとは限らない。
というのもスペースド・リハーサルが有効なのは、単に暗記ものだけでなく、文章理解などの高度の情報処理が必要なものから手や体で覚える身体技能系にいたるまで有効であるからだ。
自分でコンテンツを用意できる場合もあるが、情報機器にあまり依存しない方法も(bricks-and-mortar つまり「紙と鉛筆でできる」方法も)、確保しておきたい。
次善の、しかしより汎用性がある方法は、あらかじめスペースド・リハーサルのスケジュール表にして作っておくことである。
つまり下のような表である。横軸が日程、縦軸が復習回数である。

(クリックで拡大)
見てのとおり1、3、7、14、21……と次第に空けて番号を書き込んでいるだから「紙と鉛筆でできる」。実際は紙を何枚も貼り合わせることになる。
やり終えたところは、線を引くなり、豆印を押すなりして消していけば、セルフモニタリング・シートにもなる。
さて、この表をエクセルなどの表計算ソフトでつくっておくのもよい(Google Docで作るのもオススメだ)。
学習計画は、様々な理由から修正が必要になるが、表計算ソフトで作っておくと、日程欄を変えるだけで、スペースド・リハーサルのスケジュールを〈再計算〉が可能だからだ。
実際、何日か休んでしまって、スペースド・リハーサルでやろうにもめんどくさくなっていまって中断することが結構多い。
エクセルファイルで2012年の1年間分を作っておいた(speaced-sch.xlsx ;xlsファイルは列数制限があったので行列入れ替えました→speaced-sch.xls )。
……手書きスペースド・リハーサル・スケジュール表の作り方の詳細な説明がある。
(関連記事)
・(保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ

・復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる

・古今東西の記憶術をざっくり7つにまとめてみた

むしろ必要なのは、多種類の事項について長期にメンテナンスできるような記憶方略である。
繰り返し、間隔を次第に広げながら(例えば1日後、3日後、7日後……という具合に)復習していくスペースド・リハーサルについては、次の記事で書いた。
復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる 読書猿Classic: between / beyond readers


スペースド・リハーサルは単純な暗唱ものから文章理解から技能習得に至るまで有効だが、最大の欠点は〈面倒くさい〉ことである。
最初のうちはいいが、学習をはじめて何十日か経つと、復習すべき項目が〈1日前覚えた項目〉〈3日前覚えた項目〉〈7日前覚えた項目〉……と積み重なってきて、しかも復習までの期間が広がっていくわけだから、とっさに今日はどれを復習すればいいかが分かりにくくなる。
対策はいくつかある。
一番楽なのは、スペースド・リハーサルを機能に取り入れていて復習のタイミングをお任せできるソフトフェアやアプリやサービスを利用することである。
しかし既存のソフトやサービスで、自分が学びたいコンテンツが使えるとは限らない。
というのもスペースド・リハーサルが有効なのは、単に暗記ものだけでなく、文章理解などの高度の情報処理が必要なものから手や体で覚える身体技能系にいたるまで有効であるからだ。
自分でコンテンツを用意できる場合もあるが、情報機器にあまり依存しない方法も(bricks-and-mortar つまり「紙と鉛筆でできる」方法も)、確保しておきたい。
次善の、しかしより汎用性がある方法は、あらかじめスペースド・リハーサルのスケジュール表にして作っておくことである。
つまり下のような表である。横軸が日程、縦軸が復習回数である。

(クリックで拡大)
見てのとおり1、3、7、14、21……と次第に空けて番号を書き込んでいるだから「紙と鉛筆でできる」。実際は紙を何枚も貼り合わせることになる。
やり終えたところは、線を引くなり、豆印を押すなりして消していけば、セルフモニタリング・シートにもなる。
さて、この表をエクセルなどの表計算ソフトでつくっておくのもよい(Google Docで作るのもオススメだ)。
学習計画は、様々な理由から修正が必要になるが、表計算ソフトで作っておくと、日程欄を変えるだけで、スペースド・リハーサルのスケジュールを〈再計算〉が可能だからだ。
実際、何日か休んでしまって、スペースド・リハーサルでやろうにもめんどくさくなっていまって中断することが結構多い。
エクセルファイルで2012年の1年間分を作っておいた(speaced-sch.xlsx ;xlsファイルは列数制限があったので行列入れ替えました→speaced-sch.xls )。
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(関連記事)
・(保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ

・復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる

・古今東西の記憶術をざっくり7つにまとめてみた

2011.12.23
2011年下半期読書猿ブログ内ベストセラー
1位:プロは語る。
速読ギネス記録保持者が教える4分で試せる読書を加速する技術 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
さまざまなコツについて〈当代一流〉と編者が目した人物に執筆を依頼し書いてもらった書物。たとえば
・『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィーに〈時間の使い方〉を
・CNNの看板トーク番組「ラリー・キング・ライブ」の司会者ラリー・キングに〈話の聞き方〉を
・速読ギネス記録保持者に〈すぐにできる速読のやり方〉を
・スターバックスコーヒーのシニア・コーヒー・エデュケーション・スペシャリストに〈おいしいコーヒーの入れ方〉を
・世界で最も歴史ある美術品専門オークションハウスであるクリスティーズの国際部代表に〈もてなし上手になるコツ〉を
・ニューヨーク・シティ・バレエ団 (NYCB)のプリンシパルに〈姿勢を良くする方法〉を
・アメリカ保健社会福祉省(HHS)疾病対策センター所長に〈手の洗い方〉を
といったものが70ほど入っていて、それぞれの著作のエッセンスがまとめて一冊になっているのが売り。
2位:いかにして問題をとくか
ポリアの名著『いかにして問題をとくか』のチートシートをつくってみた 読書猿Classic: between / beyond readers

ポリアだけじゃない問題解決の考え方/勘どころを教える数学の11冊 読書猿Classic: between / beyond readers

迷ったら試してみる→逆向きに解く-問題解決の定石 読書猿Classic: between / beyond readers

その他で何回か登場。
ポリアは、証明と、それに先立って証明すべきものを見つけ出す発見とを取り上げ、特にこれまであまり深められて来なかった〈発見〉の側面に注意を促し、続編『数学における発見はいかになされるか』や『数学の問題の発見的解き方』をその探求に当てている。
ところで我々は、証明についても片付かない心持ちに陥ることがある。例えばある証明を示されて、天下り的に降って湧いたみたいに感じられて、どうにも納得がいかない場合などであるが、ひょっとしたら、どうしたら自分でもそんな証明を思いつけるのか、すなわち証明についてもそれを発見するための考え方がつかめれば、もっと証明を理解し納得できるかもしれない。
ポリア自身は手をつけなかったこの方面に取り組んだものに
がある。定理の証明が続く数理書の筋運びについていけなくて悩んでいる人、また考えすぎてすすめなくなる人にオススメ。よくある証明の書き方は、ビギナーにとって何が省略されいるのか、どうして筋を追えなくなるのかが分かる。付録にその対策もまとめられている。
復刊が望まれて久しいが、訳者の一人と連絡がとれないらしく、出版社のサイトに連絡や情報を求める告知 http://www.kyoritsu-pub.co.jp/company/crh_search.htmlがある。
3位:計算がらくになる実用数学
5位:速算術入門
10秒で覚えられて計算がバツグンに速くなる方法 読書猿Classic: between / beyond readers

「足して9になる数字」が四則演算すべての検算を驚くほど加速する理由 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
このブログでは、すでに定番となった感がある。
電卓でもパソコンでもスマホでもガラケーでも、いくらでも計算できる時代なのに〈計算もの〉の新刊は後を絶たない。
けれどもこの分野は、計算尺が関数電卓に追われた時代に登場したこの2冊にとどめをさす。
4位:フランクリン自伝
8位:方法序説 (岩波文庫)
10位:本を読む本 (講談社学術文庫)
19位:弁論家について (岩波文庫)
20位:夜と霧 新版
21位:The Ideal Problem Solver: A Guide for Improving Thinking, Learning, and Creativity
まとめて
よく考えるための10冊/思考技術のためのプラチナ・クラシックス 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
6冊もひとつの記事からのものだが、今回のリストに上がっているのはほとんどが〈考え方〉についての書物なので、当然といえば当然の結果なかも知れない。
「よく学ぶための10冊/学習技術のためのシルバー・チップス」というのも考えたが、今のところ登場していない。
政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者……と多方面に活躍した〈すべてのヤンキーの父〉、ベンジャミン・フランクリンだが、本人は一生涯〈印刷業者〉以外の肩書きを使わなかった。
『自伝』では、自身がベストセラーを飛ばしたが、讃美歌集の出版人としてもベストセラーリストに登場している(1662年から今までのアメリカのベストセラーをリストにした 読書猿Classic: between / beyond readers
)。
6位:マンガの描き方―似顔絵から長編まで
手塚治虫がやってたプロットの筋トレ 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
なんでもなさそうな方法だが、応用度と実用度が高い。手塚治虫ネタとしては、
レファレンスこの一冊/プロットにつまったら吉川英治・手塚治虫も使った『大語園』 読書猿Classic: between / beyond readers

などがある。
7位:創造の方法学
読書猿が中学生に本気で本を薦めてみた 読書猿Classic: between / beyond readers

などに登場。
社会科学で、命題と仮説、記述と説明はそれぞれどう違うか、どのように原因を追求するか、そのために何と何が必要か、そのうちどれから取り組めばいいか、など基本的なことがわかりやすく、そして(ここがすごいのだが)実に身に染みるように書いてある。
9位:草子ブックガイド
『草子ブックガイド』というマンガのこと 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場、というかこの本のためのエントリー。
このマンガの感想文を、時々取り出して書いたり消したりしてる。
今年書こうと思っていて書けなかったものとしては、日本マンガ史上最強のソーシャルスキルを持った主人公(ヒロイン)を擁する木村紺『からん』なんかがある。
11位:知的複眼思考法
「頭の良くなる本を教えて下さい!」「ごめんなさい」 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
12位:寺田寅彦随筆集 第2巻
寺田寅彦に知識を生み出す仕方を学ぶ 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
寺田寅彦を一番良く読んでいた頃は、まだ苅谷剛彦を知らなかった。
今日のリストは不思議と、今ではよく併せ読むラインナップになっている。
13位:American Accent Training
リスニング、あと何が足りないか? 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
14位:パフォーマンス・マネジメント
今度こそ、続けよう→3日坊主にさよならする技術 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
15位:料理の四面体
サラダからはじめよ/新入生のための一人飯ハック 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
自立した人間とは畢竟、自分に必要な食べ物を自分で用意できる人間のことである。
これが自己陶冶の前提であり、最初の一歩でもある。
自炊できる人間になるための方策として、サラダを推奨する。
サラダに失敗はない。なんとなれば、サラダはまだ料理ではないからだ。
サラダはまた、単に料理のカテゴリーであるだけでなく、ひとつのフレームワークである。ビギナーが最も容易にマンネリ・メニューから脱出できる思考法である。
サラダを学ぶことは、個々のサラダのレシピを学ぶことではなく、様々なサラダのレシピを創出する方法を学ぶことだ。
サラダはまた独学者にふさわしい食べ物である。
というのも、おいしいサラダを食べるコツはひとつしかなく、それは〈作ったらすぐに食べること〉だからである。
この条件は、作る人=食べる人であるときこそ、最も確実に達成されることは明らかである。
16位:デカルト (岩波新書)
18位:ソクラテス (岩波新書)
どちらも、
今度こそは→難解な哲学書を読めるようにする16の新書 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
この記事からは他に、
26 位:アウグスティヌス講話 (講談社学術文庫)
28 位:カント入門 (ちくま新書)
29 位: プラトン (岩波新書)
がランクインした。
17位:1日で感動的に声がよくなる!歌もうまくなる!!
まとめ:こんなにある→10日あれば変えられること 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
いわゆるボイス・トレーニングものなのだが、技術よりも身体を〈楽器〉として扱う際の考え方に軸がある。
22位:影響力の武器
人はどんな時どのようにしてダマされるか?-思わず陥る6つのパターン 読書猿Classic: between / beyond readers

という記事は登場。
この記事自体も『影響力の武器』の長めの要約(まとめ)である。
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速読ギネス記録保持者が教える4分で試せる読書を加速する技術 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
さまざまなコツについて〈当代一流〉と編者が目した人物に執筆を依頼し書いてもらった書物。たとえば
・『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィーに〈時間の使い方〉を
・CNNの看板トーク番組「ラリー・キング・ライブ」の司会者ラリー・キングに〈話の聞き方〉を
・速読ギネス記録保持者に〈すぐにできる速読のやり方〉を
・スターバックスコーヒーのシニア・コーヒー・エデュケーション・スペシャリストに〈おいしいコーヒーの入れ方〉を
・世界で最も歴史ある美術品専門オークションハウスであるクリスティーズの国際部代表に〈もてなし上手になるコツ〉を
・ニューヨーク・シティ・バレエ団 (NYCB)のプリンシパルに〈姿勢を良くする方法〉を
・アメリカ保健社会福祉省(HHS)疾病対策センター所長に〈手の洗い方〉を
といったものが70ほど入っていて、それぞれの著作のエッセンスがまとめて一冊になっているのが売り。
2位:いかにして問題をとくか
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ポリアの名著『いかにして問題をとくか』のチートシートをつくってみた 読書猿Classic: between / beyond readers

ポリアだけじゃない問題解決の考え方/勘どころを教える数学の11冊 読書猿Classic: between / beyond readers

迷ったら試してみる→逆向きに解く-問題解決の定石 読書猿Classic: between / beyond readers

その他で何回か登場。
ポリアは、証明と、それに先立って証明すべきものを見つけ出す発見とを取り上げ、特にこれまであまり深められて来なかった〈発見〉の側面に注意を促し、続編『数学における発見はいかになされるか』や『数学の問題の発見的解き方』をその探求に当てている。
ところで我々は、証明についても片付かない心持ちに陥ることがある。例えばある証明を示されて、天下り的に降って湧いたみたいに感じられて、どうにも納得がいかない場合などであるが、ひょっとしたら、どうしたら自分でもそんな証明を思いつけるのか、すなわち証明についてもそれを発見するための考え方がつかめれば、もっと証明を理解し納得できるかもしれない。
ポリア自身は手をつけなかったこの方面に取り組んだものに
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がある。定理の証明が続く数理書の筋運びについていけなくて悩んでいる人、また考えすぎてすすめなくなる人にオススメ。よくある証明の書き方は、ビギナーにとって何が省略されいるのか、どうして筋を追えなくなるのかが分かる。付録にその対策もまとめられている。
復刊が望まれて久しいが、訳者の一人と連絡がとれないらしく、出版社のサイトに連絡や情報を求める告知 http://www.kyoritsu-pub.co.jp/company/crh_search.htmlがある。
3位:計算がらくになる実用数学
5位:速算術入門
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10秒で覚えられて計算がバツグンに速くなる方法 読書猿Classic: between / beyond readers

「足して9になる数字」が四則演算すべての検算を驚くほど加速する理由 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
このブログでは、すでに定番となった感がある。
電卓でもパソコンでもスマホでもガラケーでも、いくらでも計算できる時代なのに〈計算もの〉の新刊は後を絶たない。
けれどもこの分野は、計算尺が関数電卓に追われた時代に登場したこの2冊にとどめをさす。
4位:フランクリン自伝
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8位:方法序説 (岩波文庫)
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10位:本を読む本 (講談社学術文庫)
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19位:弁論家について (岩波文庫)
20位:夜と霧 新版
21位:The Ideal Problem Solver: A Guide for Improving Thinking, Learning, and Creativity
まとめて
よく考えるための10冊/思考技術のためのプラチナ・クラシックス 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
6冊もひとつの記事からのものだが、今回のリストに上がっているのはほとんどが〈考え方〉についての書物なので、当然といえば当然の結果なかも知れない。
「よく学ぶための10冊/学習技術のためのシルバー・チップス」というのも考えたが、今のところ登場していない。
政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者……と多方面に活躍した〈すべてのヤンキーの父〉、ベンジャミン・フランクリンだが、本人は一生涯〈印刷業者〉以外の肩書きを使わなかった。
『自伝』では、自身がベストセラーを飛ばしたが、讃美歌集の出版人としてもベストセラーリストに登場している(1662年から今までのアメリカのベストセラーをリストにした 読書猿Classic: between / beyond readers

6位:マンガの描き方―似顔絵から長編まで
![]() | マンガの描き方―似顔絵から長編まで (知恵の森文庫) (1996/07) 手塚 治虫 商品詳細を見る |
手塚治虫がやってたプロットの筋トレ 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
なんでもなさそうな方法だが、応用度と実用度が高い。手塚治虫ネタとしては、
レファレンスこの一冊/プロットにつまったら吉川英治・手塚治虫も使った『大語園』 読書猿Classic: between / beyond readers

などがある。
7位:創造の方法学
![]() | 創造の方法学 (講談社現代新書 553) (1979/09/18) 高根 正昭 商品詳細を見る |
読書猿が中学生に本気で本を薦めてみた 読書猿Classic: between / beyond readers

などに登場。
社会科学で、命題と仮説、記述と説明はそれぞれどう違うか、どのように原因を追求するか、そのために何と何が必要か、そのうちどれから取り組めばいいか、など基本的なことがわかりやすく、そして(ここがすごいのだが)実に身に染みるように書いてある。
9位:草子ブックガイド
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『草子ブックガイド』というマンガのこと 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場、というかこの本のためのエントリー。
このマンガの感想文を、時々取り出して書いたり消したりしてる。
今年書こうと思っていて書けなかったものとしては、日本マンガ史上最強のソーシャルスキルを持った主人公(ヒロイン)を擁する木村紺『からん』なんかがある。
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11位:知的複眼思考法
![]() | 知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫) (2002/05/20) 苅谷 剛彦 商品詳細を見る |
「頭の良くなる本を教えて下さい!」「ごめんなさい」 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
12位:寺田寅彦随筆集 第2巻
![]() | 寺田寅彦随筆集 (第2巻) (岩波文庫) (1964/01) 寺田 寅彦 商品詳細を見る |
寺田寅彦に知識を生み出す仕方を学ぶ 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
寺田寅彦を一番良く読んでいた頃は、まだ苅谷剛彦を知らなかった。
今日のリストは不思議と、今ではよく併せ読むラインナップになっている。
13位:American Accent Training
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リスニング、あと何が足りないか? 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
14位:パフォーマンス・マネジメント
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今度こそ、続けよう→3日坊主にさよならする技術 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
15位:料理の四面体
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サラダからはじめよ/新入生のための一人飯ハック 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
自立した人間とは畢竟、自分に必要な食べ物を自分で用意できる人間のことである。
これが自己陶冶の前提であり、最初の一歩でもある。
自炊できる人間になるための方策として、サラダを推奨する。
サラダに失敗はない。なんとなれば、サラダはまだ料理ではないからだ。
サラダはまた、単に料理のカテゴリーであるだけでなく、ひとつのフレームワークである。ビギナーが最も容易にマンネリ・メニューから脱出できる思考法である。
サラダを学ぶことは、個々のサラダのレシピを学ぶことではなく、様々なサラダのレシピを創出する方法を学ぶことだ。
サラダはまた独学者にふさわしい食べ物である。
というのも、おいしいサラダを食べるコツはひとつしかなく、それは〈作ったらすぐに食べること〉だからである。
この条件は、作る人=食べる人であるときこそ、最も確実に達成されることは明らかである。
16位:デカルト (岩波新書)
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18位:ソクラテス (岩波新書)
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どちらも、
今度こそは→難解な哲学書を読めるようにする16の新書 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
この記事からは他に、
26 位:アウグスティヌス講話 (講談社学術文庫)
28 位:カント入門 (ちくま新書)
29 位: プラトン (岩波新書)
がランクインした。
17位:1日で感動的に声がよくなる!歌もうまくなる!!
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まとめ:こんなにある→10日あれば変えられること 読書猿Classic: between / beyond readers

に登場。
いわゆるボイス・トレーニングものなのだが、技術よりも身体を〈楽器〉として扱う際の考え方に軸がある。
22位:影響力の武器
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人はどんな時どのようにしてダマされるか?-思わず陥る6つのパターン 読書猿Classic: between / beyond readers

という記事は登場。
この記事自体も『影響力の武器』の長めの要約(まとめ)である。
2011.12.19
音楽的な背景をもった静かな革命/ヴァーツラフ・ハベル/ルー・リード
![]() | ニューヨーク・ストーリー ルー・リード詩集 (1992/08) ルー リード 復刊リクエスト |
図書館でルー・リード詩集を借りてきて読んだ。
中にインタビューが2本入ってる。
ルーに対するインタビューじゃなくてルーがインタビュアーなんだ。
その内の1本、チェコの大統領ヴァーツラフ・ハベルにへのインタビューというよりはルポ、これが凄くかっこよかった。
ハベルって人はもともと文学者だったんだね。
旧東欧、共産党政権下の反体制知識人(←ああ、なんかとんでもない文字面だな)。
迫害されたり投獄されたり、それが今や大統領だ。
ルーのインタビューに応えてハベルが語り出す。
「私たちのこの革命は他のすべての面とは別に音楽的な面をもっています。特に音楽的な背景を持つ革命。」
60年代終りにチェコではロックが禁止されたんだってさ。
でもアンダーグランドにもぐってやってたやつらもいた。
ヴェルヴェットの影響を受けてたやつらが。
やがてそいつらも逮捕され、それに対する救援活動をハベルらが組織する。
「紳士や学者や、ノーベル賞受賞者たちを説得」して。
そうした中で憲章77というレジスタンスと反体制のコミュニティが作られていったと。
ああ、全くジジェクの言ってたとおりじゃないすか。
大統領はルーに今夜クラブで演奏するのかと尋ねる。
ルーは俺はプライベートな人間だから、あなたの為になら演奏したいが、わけのわからないところではやらないと答える。
ハベルは、いやそれなら友人達だけの集まりだから大丈夫だと言う。
ルーはその夜クラブに向かう。
すでにチェコのバンドが演奏している。
「私は突然曲に聞き覚えがあることに気づいた。彼らはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌を演奏していた。」
「一夜漬けの練習でできるものではなかった。」
「編曲、強調されたライン、間のとりかた、まるで時間を遡って自分自身の演奏を聞きに戻ったような感じだった。」
そしてルーはプレイし、彼らとのセッションを堪能する。
演奏が終り、多くの人々がルーの許にやってくる。
「私の音楽を演奏して刑務所に入っていた者もいた。刑務所に入っていた時、自分を勇気づけ慰めるために私の歌詞を暗唱していたと大勢が言った。中には、私が15年前に書いたエッセイの中の一行「誰もが音楽のために死ぬべきだ」を覚えている者もいた。それは私にはとてつもない夢で私の最も遠大な期待をはるかに越えるものだった。」
「ヴェルヴェットと私自身のアルバムは表現の自由ーー好きなことについて好きなように書く自由についてのものだった。そして、その音楽はここチェコスロバキアに安住の地を見いだした。」
![]() | ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ (2006/06/21) ヴェルヴェット・アンダーグラウンド |