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2010.03.17
自宅でできるやり方で論文をさがす・あつめる・手に入れる
100冊読む時間があったら論文を100本「解剖」した方が良い 読書猿Classic: between / beyond readers
の続きというか、補遺。
大学等に所属してる人は、そこの図書館と契約してる有料データベースを駆使されたし(使い方はガイダンスがあったりするし、図書館のレファレンスでも教えてくれるだろう)。っていうか、言うまでもないだろ、そんなことは。
ここではフリー(市井)の人が使える手を考える。手はたくさんあるが、いっぱいあっても混乱するだろうから、少しだけ。必要なら追記していく。
とりあえず3つのケースに分けてみた。
1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている
2.読みたい分野、知りたいジャンルくらいは決まってる
3.何からはじめればいいのか、さっぱりわからん
番外.論文なんて本屋で買えるぜ
A.まずは敷居の低い日本語論文なら
1.まずはCiNii-NII論文情報ナビゲータ http://ci.nii.ac.jp/
論文そのものもpdfファイルで手に入る(ときもある)。
1’.理系の論文なら、Journal@rchiveかJ-STAGEで探すと、無料で全文公開されているものが見つかりやすい。CiNii-NIIみたいにがっかりせずに済む。
J-STAGEが新規の論文発表への対応、つまり電子ジャーナルの発行を行っているのに対して、Journal@rchiveは過去発行分のデジタル化とその公開作業を担っている。
たとえば日本数学会のJournal of the Mathematical Society of Japan (JSMJ) だと、第57巻まではJournal@rchiveで、第58巻以降は JSTのJ-Stageで公開されている。
1’’.電子化されている論文などの電子資源を横断的に検索できるものにOAIster http://oaister.worldcat.org/がある。
日本を含む世界各国、約1100機関のリポジトリに収録されている2025万件を超える電子資源のデータ(論文タイトル・著者名・収録誌名・・・)を検索でき、検索結果から各機関のリポジトリへのリンクを経て、全文などを入手できる。日本の大学や学術機関のデータも収録されており、日本語での検索も可能。
2.(少しくらいなら金を払う)国会図書館蔵書検索・申込システム http://opac.ndl.go.jp/
「雑誌記事索引の検索/申込み」をクリック。検索してヒットしたら、その論文のページだけコピーして郵送してくれる。ページ数にもよるけれど、コピー代+郵送代で数百円くらい。1週間も経たずに届く。
このシステムのおかげで、およそ日本語で書かれた論文ならば、数百円と引き換えに手に入らないものは(多分ほとんど)ない状態になった。
なのに、意外と知らない人も多い(らしい)。
3.Googleで検索
論文の著者やその人が所属してる大学が論文を提供しているところも増えてきた。なので、ただグーグルでさがしても、日本語論文も結構手に入る。
B.次に英語その他の外国語でかかれた論文なら
1.Google Scholar http://scholar.google.co.jp/
前エントリーのはてブのコメントにもあったけど、検索できて、何回引用されているか(被引用回数は重要度のバロメーターだ)がわかって、要約がわかって、論文そのものもpdfファイルで手に入る(ときもある)。
1’.Scirus http://www.scirus.com/srsapp/
Scirus(サイラス)は科学専用インターネット検索エンジン。ライフサイエンス、物理科学、社会科学など、検索分野を選択することもできるし、特定の著者、ジャーナル、論文に検索範囲を絞ることも、指定した日付範囲だけの結果を表示する事も可能。
くわしくはこちらを。
エルゼビア・ジャパン株式会社 Scirus(サイラス)

2.(金を払ってでも紙コピーでもいいから手に入れたい)Ingenta (Electronic Content)
最終手段。論文をバラ売りしてくれる。
ただ金を払うとなれば、世界のいろんな図書館が相手をしてくれる。
イギリスで書かれた、ある博士論文を手に入れる必要があったので、大英図書館(ブリティッシュ・ライブラリ)のサイトhttp://www.bl.ukで検索したらある、注文できるとあるから注文したら、がっつり系の製本をした500ページくらいのがどんと自宅に届いた。料金もがっつりだった気がするが忘れた。
Ingentaで見つけておいて、書誌情報がわかったら、一度、その論文を載せてる雑誌等が国会図書館にもないか確認にしてみるといい。結構な割合で、国会図書館から入手可能であったりする(この件については、ここを参照)。
C.その他の手段はここを見て。
実践女子大学図書館 インターネットで文献探索 > 第4章 新聞と雑誌を探す> 4-2 B Search for English Journal Articles
実践女子大学図書館 図書・雑誌探索ページ

このサイト自体が文献検索のリソースの山。
論文と執筆者(研究者)と事項(トピック、テーマ)は、ネットワーク状に連なっている。
とりあえず論文、人、事項のどれかをつかまえられれば、あとは芋ずる式にたぐり寄せる可能性が高い。
0.詳しそうな人にお勧めを聞く
どこにいるんだ、そんな奴は? と聞きたくなるだろう。だからオプションがある。
(本当は論文を推薦し合う仕組みがあれば……って口がすべると、そういうのを作る羽目に……ダレカツクッテ)。
0’.GeNii(NII学術コンテンツ・ポータル) http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp
とにかく、ここに思い付いたキーワードを放り込んで検索する。
さっき出て来た「CiNii-NII論文情報ナビゲータ」を含む、「論文を探す」「本・雑誌を探す」「研究課題・成果を探す][分野別専門情報を探す」「教育・研究成果を探す」が一発で検索できる。
つまり論文がヒットし、本や雑誌がヒットし、どこの誰が科研費もらってどんな研究をやったか(やってるか/やろうとしているか)がヒットし、研究者がヒットし、その他いろいろヒットする。
とりあえず最初のとっかかりは何とかなる。
たとえば、試しに「魔女狩り」と入れて検索してみよう。
0”.J-GLOBAL(科学技術総合リンクセンター;JST科学技術振興機構提供) http://jglobal.jst.go.jp/
研究者、文献、特許、研究課題、大学・研究所、科学技術用語、化学物質、遺伝子、その他資料を検索できる。これら情報を有機的につなげてたどることが可能。たとえば研究者と研究者(共著の関係、内容類似の関係)文献と文献(内容類似の関係、引用・被引用の関係)、文献と特許(内容類似の関係)……。
0'''.J-STAGE [科学技術情報発信・流通総合システム]
これもJST(科学技術振興機構)提供の研究成果の投稿・審査から編集、電子化による公開まで、全プロセスを支援するシステム。2010/04/04現在、ジャーナル614誌(293475記事)、 予稿集・要旨集125誌、 報告書10誌、 JST報告書42誌 を提供してる。JSTリンクセンターを介して引用文献、参照文献へのリンクも可能。
1.その分野の教科書を読む
全く不案内で、そういう学問があるのはわかるけど、どんなキーワードで探せば良いか、分からない場合。あなたは初学者だ。
教科書を読みなさい。真っ当な教科書を読みなさい。真っ当な教科書は、その分野の研究成果(論文たち)を整理してまとめてくれたものだ。
だから必ず、それぞれの章や項目について、どんな論文をもとにして書いたかを、明示してある。教科書の元ネタとして論文を探すのだ。これで著者名、論文名、掲載雑誌などがわかる。あとは、ここに戻って検索を続けよう。
どんな教科書があるか、だって?
このブログだと、次の記事が役に立つかもしれない。
読書猿Classic: between / beyond readers 一人で読めて大抵のことは載っている教科書

一人で読めて大抵のことは載っている教科書(洋書編):数学からラテン語まで 読書猿Classic: between / beyond readers

2.パスファインダーを探す
こういうのが、一例だ。
調べ方と調べるためのツールがジャンル・主題ごとに整理されていて便利。
百科事典についても具体的にどれの何ページに載っている、とまで書いてある。ものすごく敷居が低い。
自分の知りたいジャンルのがなくても、探し方の手順としては参考になる。
とりあえず、次の手順で手と頭を動かしてみてくれ。
(1)興味のあること/興味はあるけど当面ガマンすること/興味の無いことを、それぞれ書けるだけ書き出してみる。
(2)興味のあることリストを読み返して優先順位をつける
(3)1番目から、これをやってみる。
なお、興味のあることリストは,次の四分割表みたいなのに整理して、日付をつけて残しておくといい。
「今のところ興味なし」の部分は、「既知(けど知ってるぜ)」「未知(だから知らねえや)」ともに、詳しい目に書いておくと、あとで(いろんな意味で煮詰まった時に)役立つ。
似たようなものに「KWL表」というのもある。
論文も単体ではなく、「論文集」とか「学術雑誌」といった形で書籍や雑誌として本屋で売っている。
ある分野の昔から最近までの読むべき基本的論文を集めた「Readings」という本もある。ジャンルによっては、教科書のサプリメントとして、セットで売ってたりする。
日本語でも「リーディングス」はある。本屋や図書館で探してみるとよい。
(関連記事)
100冊読む時間があったら論文を100本「解剖」した方が良い 読書猿Classic: between / beyond readers

図書館となら、できること/文献のコンシエルジュと「書誌の書誌」 読書猿Classic: between / beyond readers


大学等に所属してる人は、そこの図書館と契約してる有料データベースを駆使されたし(使い方はガイダンスがあったりするし、図書館のレファレンスでも教えてくれるだろう)。っていうか、言うまでもないだろ、そんなことは。
ここではフリー(市井)の人が使える手を考える。手はたくさんあるが、いっぱいあっても混乱するだろうから、少しだけ。必要なら追記していく。
とりあえず3つのケースに分けてみた。
1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている
2.読みたい分野、知りたいジャンルくらいは決まってる
3.何からはじめればいいのか、さっぱりわからん
番外.論文なんて本屋で買えるぜ
1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている
A.まずは敷居の低い日本語論文なら
1.まずはCiNii-NII論文情報ナビゲータ http://ci.nii.ac.jp/
論文そのものもpdfファイルで手に入る(ときもある)。
1’.理系の論文なら、Journal@rchiveかJ-STAGEで探すと、無料で全文公開されているものが見つかりやすい。CiNii-NIIみたいにがっかりせずに済む。
J-STAGEが新規の論文発表への対応、つまり電子ジャーナルの発行を行っているのに対して、Journal@rchiveは過去発行分のデジタル化とその公開作業を担っている。
たとえば日本数学会のJournal of the Mathematical Society of Japan (JSMJ) だと、第57巻まではJournal@rchiveで、第58巻以降は JSTのJ-Stageで公開されている。
1’’.電子化されている論文などの電子資源を横断的に検索できるものにOAIster http://oaister.worldcat.org/がある。
日本を含む世界各国、約1100機関のリポジトリに収録されている2025万件を超える電子資源のデータ(論文タイトル・著者名・収録誌名・・・)を検索でき、検索結果から各機関のリポジトリへのリンクを経て、全文などを入手できる。日本の大学や学術機関のデータも収録されており、日本語での検索も可能。
2.(少しくらいなら金を払う)国会図書館蔵書検索・申込システム http://opac.ndl.go.jp/
「雑誌記事索引の検索/申込み」をクリック。検索してヒットしたら、その論文のページだけコピーして郵送してくれる。ページ数にもよるけれど、コピー代+郵送代で数百円くらい。1週間も経たずに届く。
このシステムのおかげで、およそ日本語で書かれた論文ならば、数百円と引き換えに手に入らないものは(多分ほとんど)ない状態になった。
なのに、意外と知らない人も多い(らしい)。
3.Googleで検索
論文の著者やその人が所属してる大学が論文を提供しているところも増えてきた。なので、ただグーグルでさがしても、日本語論文も結構手に入る。
B.次に英語その他の外国語でかかれた論文なら
1.Google Scholar http://scholar.google.co.jp/
前エントリーのはてブのコメントにもあったけど、検索できて、何回引用されているか(被引用回数は重要度のバロメーターだ)がわかって、要約がわかって、論文そのものもpdfファイルで手に入る(ときもある)。
1’.Scirus http://www.scirus.com/srsapp/
Scirus(サイラス)は科学専用インターネット検索エンジン。ライフサイエンス、物理科学、社会科学など、検索分野を選択することもできるし、特定の著者、ジャーナル、論文に検索範囲を絞ることも、指定した日付範囲だけの結果を表示する事も可能。
くわしくはこちらを。
エルゼビア・ジャパン株式会社 Scirus(サイラス)

(追記)2010.03.19 コメントやTwitterでプッシュしていただいた2つのデータベースを加えました。 1-a. arXiv 本家http://arXiv.org 日本ミラーhttp://jp.arxiv.org/ 物理学、他に数学、計算機科学、量的生物学などの論文が登録されている,最も有名なプレプリントサーバ。プレプリントサーバというのは査読つき学術雑誌に掲載される予定になっている論文原稿を、原稿が完成した時点で一足早く公開する際に使用されるもの(学術雑誌における査読と出版には数ヶ月から時として一年以上もの時間がかかるんで重宝される)。
1-b. PubMed http://pubmed.gov 医学、薬学、看護学から、生化学、分子生物学、植物生理学や分子進化まで現代的な生命科学のほぼ全領域を含むカバーするカバーMEDLINE®データベースに加えて、MEDLINEに収録される前の文献や、MEDLINEから外された文献、MEDLINE収録の文献に引用されている生命科学外の文献も検索できる。さらに一部の文献については全文の無料閲覧が可能な電子アーカイブ「PubMed Central」へのリンクがついているありがたさ。 その他の無料で読めるところは、ここを参照。 無料電子雑誌論文の見つけ方 | 調べ方案内 | 国立国会図書館 ![]() オープンアクセスジャーナルリンク集 | 国立国会図書館-National Diet Library ![]() |
2.(金を払ってでも紙コピーでもいいから手に入れたい)Ingenta (Electronic Content)
最終手段。論文をバラ売りしてくれる。
ただ金を払うとなれば、世界のいろんな図書館が相手をしてくれる。
イギリスで書かれた、ある博士論文を手に入れる必要があったので、大英図書館(ブリティッシュ・ライブラリ)のサイトhttp://www.bl.ukで検索したらある、注文できるとあるから注文したら、がっつり系の製本をした500ページくらいのがどんと自宅に届いた。料金もがっつりだった気がするが忘れた。
Ingentaで見つけておいて、書誌情報がわかったら、一度、その論文を載せてる雑誌等が国会図書館にもないか確認にしてみるといい。結構な割合で、国会図書館から入手可能であったりする(この件については、ここを参照)。
C.その他の手段はここを見て。
実践女子大学図書館 インターネットで文献探索 > 第4章 新聞と雑誌を探す> 4-2 B Search for English Journal Articles
実践女子大学図書館 図書・雑誌探索ページ

このサイト自体が文献検索のリソースの山。
(追記)2010.03.18 twitterで重大な指摘を受けました。他の方からのブログへのコメントにも同趣旨の指摘をいただいてます。
思いっきり忘れてました。ものすごく「肝心な手」です。 そしてお願いとお礼(感想含む)のメールは、書けるようにしておきたいです。 |
2.読みたい分野、知りたいジャンルくらいは決まってる
論文と執筆者(研究者)と事項(トピック、テーマ)は、ネットワーク状に連なっている。
とりあえず論文、人、事項のどれかをつかまえられれば、あとは芋ずる式にたぐり寄せる可能性が高い。
0.詳しそうな人にお勧めを聞く
どこにいるんだ、そんな奴は? と聞きたくなるだろう。だからオプションがある。
(本当は論文を推薦し合う仕組みがあれば……って口がすべると、そういうのを作る羽目に……ダレカツクッテ)。
0’.GeNii(NII学術コンテンツ・ポータル) http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp
とにかく、ここに思い付いたキーワードを放り込んで検索する。
さっき出て来た「CiNii-NII論文情報ナビゲータ」を含む、「論文を探す」「本・雑誌を探す」「研究課題・成果を探す][分野別専門情報を探す」「教育・研究成果を探す」が一発で検索できる。
つまり論文がヒットし、本や雑誌がヒットし、どこの誰が科研費もらってどんな研究をやったか(やってるか/やろうとしているか)がヒットし、研究者がヒットし、その他いろいろヒットする。
とりあえず最初のとっかかりは何とかなる。
たとえば、試しに「魔女狩り」と入れて検索してみよう。
0”.J-GLOBAL(科学技術総合リンクセンター;JST科学技術振興機構提供) http://jglobal.jst.go.jp/
研究者、文献、特許、研究課題、大学・研究所、科学技術用語、化学物質、遺伝子、その他資料を検索できる。これら情報を有機的につなげてたどることが可能。たとえば研究者と研究者(共著の関係、内容類似の関係)文献と文献(内容類似の関係、引用・被引用の関係)、文献と特許(内容類似の関係)……。
0'''.J-STAGE [科学技術情報発信・流通総合システム]
これもJST(科学技術振興機構)提供の研究成果の投稿・審査から編集、電子化による公開まで、全プロセスを支援するシステム。2010/04/04現在、ジャーナル614誌(293475記事)、 予稿集・要旨集125誌、 報告書10誌、 JST報告書42誌 を提供してる。JSTリンクセンターを介して引用文献、参照文献へのリンクも可能。
1.その分野の教科書を読む
全く不案内で、そういう学問があるのはわかるけど、どんなキーワードで探せば良いか、分からない場合。あなたは初学者だ。
教科書を読みなさい。真っ当な教科書を読みなさい。真っ当な教科書は、その分野の研究成果(論文たち)を整理してまとめてくれたものだ。
だから必ず、それぞれの章や項目について、どんな論文をもとにして書いたかを、明示してある。教科書の元ネタとして論文を探すのだ。これで著者名、論文名、掲載雑誌などがわかる。あとは、ここに戻って検索を続けよう。
どんな教科書があるか、だって?
このブログだと、次の記事が役に立つかもしれない。
読書猿Classic: between / beyond readers 一人で読めて大抵のことは載っている教科書

一人で読めて大抵のことは載っている教科書(洋書編):数学からラテン語まで 読書猿Classic: between / beyond readers

2.パスファインダーを探す
こういうのが、一例だ。
調べ方と調べるためのツールがジャンル・主題ごとに整理されていて便利。
百科事典についても具体的にどれの何ページに載っている、とまで書いてある。ものすごく敷居が低い。
自分の知りたいジャンルのがなくても、探し方の手順としては参考になる。
3.何からはじめればいいのか、さっぱりわからん
とりあえず、次の手順で手と頭を動かしてみてくれ。
(1)興味のあること/興味はあるけど当面ガマンすること/興味の無いことを、それぞれ書けるだけ書き出してみる。
(2)興味のあることリストを読み返して優先順位をつける
(3)1番目から、これをやってみる。
なお、興味のあることリストは,次の四分割表みたいなのに整理して、日付をつけて残しておくといい。
興味有 | 興味無 | |
---|---|---|
既知 | ||
未知 |
「今のところ興味なし」の部分は、「既知(けど知ってるぜ)」「未知(だから知らねえや)」ともに、詳しい目に書いておくと、あとで(いろんな意味で煮詰まった時に)役立つ。
似たようなものに「KWL表」というのもある。
K 知っていること (What I know) | W 知りたいこと (What I want to know) | L 知ったこと (What I learned) |
---|---|---|
(この欄には調査前に「自分が知っていること」を書き込む。) | (この欄には調査前に「自分が知りたいこと」を書き込む。) | (この欄には調査の後「わかったこと」知ったことを書き込む。) |
番外.論文なんて本屋で買えるぜ
論文も単体ではなく、「論文集」とか「学術雑誌」といった形で書籍や雑誌として本屋で売っている。
ある分野の昔から最近までの読むべき基本的論文を集めた「Readings」という本もある。ジャンルによっては、教科書のサプリメントとして、セットで売ってたりする。
日本語でも「リーディングス」はある。本屋や図書館で探してみるとよい。
(関連記事)
100冊読む時間があったら論文を100本「解剖」した方が良い 読書猿Classic: between / beyond readers

図書館となら、できること/文献のコンシエルジュと「書誌の書誌」 読書猿Classic: between / beyond readers

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いちご
生活がふきそくで、pcにとらわれる時間が多くて、読む時間をつくれません。読む努力や実践はしたいけれど 携帯中心のほうがうごきやすいです。
2010/03/18 Thu 00:26 URL [ Edit ]
1.のケースですが,著者に直接お願いして送ってもらうというのも手かと.個人的な経験からは,大抵の場合は喜んで送ってもらえます.あと,2.のケースではトップの論文誌/学会を過去数年に渡って一通りチェックするのもよいかと.
2010/03/18 Thu 07:43 URL [ Edit ]
論文の探し方、非常に参考になりました。
A4で3枚を超えるとハードコピーで読むのですが、紙だとラベルがつけられないのであとで見つけるのが大変なんですよね……
A4で3枚を超えるとハードコピーで読むのですが、紙だとラベルがつけられないのであとで見つけるのが大変なんですよね……
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