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2010.05.02
とある読者の自家製索引(インデックス)/バーンズ『いやな気分よ、さようなら』
本を読んでいて、「これは!」と思ったり「これは?」と思ったり「これは↓」と思ったりした時に、線を引いたり、ページの角を折ったり、ポストイットを貼ったりする人もいるだろう。
自分はポストイットを貼る。
欠点は、貼り過ぎて、本文が見えなくなることである。
が、この欠点が、次の作業への動機づけになっているのである。
ポストイットをはがしながら、それが貼付けてあったページと貼付けてあった箇所を適当にまとめて書いていくのである。
めんどくさいと思われる方もおられるだろう。確かに面倒だ。
しかし、ポストイットを貼ってまで読むような本は10年間くらいは「使う」本なので、それくらいの投資は回収できる。
実例をお見せしよう。
といっても、電子化したものは、よそでも出したこれっきりしかないので、実例としては特殊だ。
認知療法の読書療法によく使われる、バーンズ『いやな気分よ、さようなら』(1980、邦訳第1版)につけた自家製インデクスである。数字がページ数、言葉は抜き出したりまとめたりしたもの。
この本には、申し訳程度の索引がついているが、例によって使えない。
自家製インデクスは個人作成個人使用なので、網羅的ではないし、他の人が「引くことができる」ものでもない。
メリットは自分に使いやすいように、本を改造していることにある。
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37,「耐えられない」は恐怖の拡大解釈
49,うつ病者は自分が評価に値するものを持っていないと信じ込む
49,貧困な自己イメージは欠点を拡大する
53,自己否定する時こそ自己認識を
54,自己否定する時に多いのが「全てか無か」思考
58,カタルシスと洞察は役に立たない
59,自己否定の考えをはっきり見て記録せよ
64,二週間、自動思考を書き出すこと
64,自動思考の記録は、自分に対する客観性を鍛える
65,トリプルカラム法は、情緒の危機にも効果がある
65,カウンター法(精神のバイオ・フィードバック)
75,絶対的自己批判は、自分を無能力にする
77,ネガティブ思考は頭の中でいじらずに書き出すこと
79,うつは意志力を麻痺させる
84,「やり残した仕事」がある時に浮かぶ考えをチェックせよ
85,行動→認知→感情
87,ぐずぐず主義の感情リスト
90,コントロールできるのは、結果でなく過程のみ
90,成功への恐れ=詐欺師と自分を思う
91,「ねばならぬ」はプレッシャーを生む
92,フラストレーションは、無理な理想との比較から生まれる
94,スケジュールは、行動への迷いを封じ込める
114,時間制限法で、仕事を分割せよ
115,いちばん適った時間を、仕事に割り当てよ
117,無気力のバランスシート
118,武装解除法は利益になることを鼻持ちならない仕方で押し付けてくる相手に有効
120,習慣は、嫌子でなく、好子で変えよ
124,典型的な「できない思考」
125,ネガティブな見通しは、行動でテストせよ
125,あらかじめネガティブな予想を立て、そこに「認知の歪む」を見つけて、対処しておくこと
126,ぐずぐず主義は、気力と行動の混同から
132,対応が分からないから、批判を恐れる
133,批判対処には、練習が必要
134,批判された時に生じる否定的な考えを同定せよ
134,批判が間違っているなら動揺は不要
135,批判が正当でも圧倒される必要はない
136,他人の承認が必要だと、批判が恐怖になる
137,批判者の目から事態を見れれば、怒りはおさまる
138,正確な質問は問題を限定し、全面的な否定を避ける
143,ロ-ルプレイで備えるか、予想会話を書き出すこと
143,不当な責めから自分を守る傾向は間違い、相手を余計に強くする
144,事実に基づき自分の立場を表現せよ
147,激怒の後には、抑うつに苦しむだろう
148,言語的技術の結果は保証できないもの
151,行動が正しかろうと間違っていようと、人間としては正しい
160,自尊心を守る戦いは、自尊心を高めない
161,もう待てない、我慢できないは、拡大解釈
164,怒りの原因の多くは、希望と道徳基準の混同
168,怒りの損得分析(下に行く程、長期的な利害を)
175,考えをとめること=ストップと自分にいう、他のことをする、別の考えに集中する
178,「~であるべき」は「~ならすばらしい」に置き換えよ
182,効果のある操縦=罰するかわりに良いところを誉めよ
187,交渉の戦略=1.ほめる 2.おちつかせる 3.はっきり言う
189,感情移入=他人の動機を自分の動機のように知ること
195,認知リハーサル=階層表ごとにイメージでのリハーサルを
199,怒りは重要なものではない、そのエネルギーに見合う程には
203,認知療法という「感情の微積分」
204,後悔は「行動」を、罪悪感は「自我」を標的にする
207,「あのときこうしとけば」=知り得なかった情報に関する全能=「すべき思考」
208,異常な罪悪感-強さ、機関、結果で計る
209,自罰的な行動パターンが罪悪「感情」を強化しやすい
212,「誤り」を認識し、修正戦略をたてられる時が自己変革のチャンス
215,「すべき」を減らすには、「どこにそんなこと書いてある?」
217,「ルール」を損得分析で検討せよ
217,「~すべき」を「こうだったらいいのに」に置き換えよ
221,ダイエットの「ごほうび」に、甘いものを
221,「人間はときどき失敗する」の三段論法
222,習慣を変えられないのは「自己コントロールできない」という思い込みのせい
222,「すべき」をはずすカウンター法
223,逆説法-1日3回二分間づつ、自己否定を繰り返す(大声で)→エリスの「合理的な歌」もこの手
227,罪悪感から、他人にコントロールされる
233,「助けよう」は「あんたはちゃんとしてない」を暗示する
233,ムーレイの「嘆き対策」=相手の正しい部分を見つけ、同意する
318,承認中毒を、カウンタ-法でかえる
331,「欲しい」と「必要」は違う
339,すべての中毒は、さらなる量を求める
349,相手が勝っていても「だとしても、なぜ価値があるといえるのか?」
373,恐怖克服には、反応予防法(逃げ出さず、恐怖量と自動思考を刻々記録する)
378,完全主義克服には、不快感に身をさらすこと
380,完全主義克服には、プロセス重視=チェックポイントをただこなす
383,職が欲しい時は、それを目的にしないこと(プロセス重視)
384,まちがえることの大切さ
386,まちがえても世界は終わらない、と書け
386,やり終えたことは無視して、途中のままのことばかり目を向ける傾向
394,基準を落として、どんどん数多く成功すること
431,攻撃されたら、それにどう応じるかを知る機会と知れ
440,最悪を予想して、自分をみじめにする必要はない
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