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2011.09.17
食わず嫌いの人へ→頭が冴え物知りになる事典の4つの習慣
事典の引き方を教えてもらったことがない/教えたほうがいい、という話は、古くからいろんな人の口からペン先から出てくるのだが、取り入れられたという話をあまり聞かない。
事典引きは、スキルというより習慣に属する事項だからだろう。
たとえ教えたとしても、それだけでは身につかないのだ。
これだけだと繰り言にしかならないので「事典を引く習慣がない人向けのアクティビティが何かないか」という質問を受けて、いくつか書いてみる。
1.本日の百科事典
一日一回、百科事典を引いて,その項目を手帳だとかライフログにメモする。それだけ。
これだけでも毎日続けるとかなりおもしろい。
もちろん何項目引いても構わないし、興が乗って芋づる式にどんどんと引いていくのもOK。
最低限、項目名のみを書き留める。手書きでやる場合はこのやり方が続く。
少し空き時間があると、どんどん芋づる式に引いて、それらを→の先に書きこんでいくのでマインドマップみたいになる。
スマホに事典を入れている人は、事典の項目全体をevernoteなんかへコピペする。
これも貯まったものを一気に読むと楽しい。いろいろ思い浮かぶ。
複数の辞書を引いて1ファイルにコピペ(短い順に)。
ネット検索の結果など追加すれば「本日のパスファインダー」にもなる。
どの項目を引くかだが、これはランダムでも,その日見かけた話題でも,継続的にテーマ引きでも構わない。
時々事典をアイウエオ順/アルファベット順に読んでいく人がいるが、それより自分の関心/気まぐれに応じて、あちこち飛ぶほうがよい。
2.予測引き
事典は、自分が知っている(と思い込んでいる)項目を引くのが楽しく、また栄養になる。
少しでもその形に近づけるように、たとえ知らない項目を引く場合でも,どんなことが書いてあるかを、あらかじめ想像してから引くといい。
この場合、箇条書き程度のメモでもいいから、予測を書き留めておく方が効き目がある。
予測を終えたら事典を引いて,書き留めた予測と比較する。
事典と予測のどちらにも登場した事項,事典にあるが予測にはあがらなかった事項,予測にあるが事典に登場しない事項を,それぞれ色分けする。
これも記録を残こすこと。
「本日の百科事典」と組み合わせて、予想と実際をログとして残しておくといい。
3.対比要約
アカデミック・ライティングの教科書に載っていたもの。
同じ項目を、複数の事典で引いてくる。
複数の事典からのデータを突き合わせて、相違点と共通点を確認して取捨選択し、ひとつにまとめる/要約する。
このとき「引用」は禁止。言い回しは変えること。
初めてやるときは、誰か人物について引くといい。フォーマットが安定しているので、要約しやすい。
実戦向きなのがお望みなら、自分が取り組んでいるトピックや分野を複数の事典で引いて、突き合わせ、要約をつくるといい。
アカデミック・ライティングの教科書に載っていたと言ったが、これは論文を書く基礎トレーニングである。
英語の教科書は、それまで初等・中等教育でどんな作文教育を受けてきたかを前提にしない(いろんな国で使われる可能性があるから)。つまり1から必要なスキルは身につけられるように構成されている。
英語が母語でない人が、英語の論文を書く事前トレーニングとして、英語で書かれた百科事典から要約をつくるという練習が設けられる。
百科事典の項目は、論文よりも、いわんや書物よりも短く、また一般向けに書かれていることが多いので、先行の研究論文を要約しなければならなくなる前に、こうしたトレーニングが用意されているのである。
百科事典を専門事典やハンドブックに置き換えていくことで、より専門的文献に近づけたトレーニングとなる。
4.項目執筆
アクティビティの最終段階には、百科事典の項目を〈自作〉することが上がる。
当然、調べものして書く。
どの項目について書くかを決め、複数の百科事典で該当項目(目下のライバルたち)を読み込み、一方で自分でも文献を集める。
最初は,日本百科全書の参考文献リストがついている項目についてやってみるといいだろう。
もちろん百科事典の参考文献リストは、調べ物のきっかけにはなるが、不十分である。
さらに調査の範囲と深さを進めていくことになる。
百科事典が成立した時点より《未来》に書かれた文献も、百科事典が示した文献を直接ないし間接的に参照・引用している可能性がある。
被引用関係をたどることで、そうした文献にも到達できる。
もちろん別のレファレンスツールも使って、文献を探す。
入手した文献が参照する文献へも、芋づる式で進む。
これを取捨選択して追加して行けば、文献リストはさらに育っていく。
自分の疑問や知りたいことを最終的に文献リストに変換することができるようになれば、その人は独学者となったと言って良い。
文献調査の筋が外れていないなら、ある程度進むと、百科事典の項目のそれぞれについて、どの部分がどの文献に依拠して書かれているかを推測できるようになる。
この頃になると、あなたの知識は、最初に見た百科事典の項目を越えている。
さて自分でも、百科事典の項目を書き始めよう。
書き始めると、理解があやふやな部分、調査が不十分なところが明らかになる。
当たり前なのであまり口にされないことだが、書かないと読めるようにならない。
一度、製作者側に回った経験は、ユーザーとしてのレベルを格段に高める。
読み飛ばしていた百科事典の項目について、いかに多くを見落としていたか、どれだけの情報が含まれているかを理解できるようになる。
事典引きは、スキルというより習慣に属する事項だからだろう。
たとえ教えたとしても、それだけでは身につかないのだ。
これだけだと繰り言にしかならないので「事典を引く習慣がない人向けのアクティビティが何かないか」という質問を受けて、いくつか書いてみる。
1.本日の百科事典
一日一回、百科事典を引いて,その項目を手帳だとかライフログにメモする。それだけ。
これだけでも毎日続けるとかなりおもしろい。
もちろん何項目引いても構わないし、興が乗って芋づる式にどんどんと引いていくのもOK。
最低限、項目名のみを書き留める。手書きでやる場合はこのやり方が続く。
少し空き時間があると、どんどん芋づる式に引いて、それらを→の先に書きこんでいくのでマインドマップみたいになる。
スマホに事典を入れている人は、事典の項目全体をevernoteなんかへコピペする。
これも貯まったものを一気に読むと楽しい。いろいろ思い浮かぶ。
複数の辞書を引いて1ファイルにコピペ(短い順に)。
ネット検索の結果など追加すれば「本日のパスファインダー」にもなる。
どの項目を引くかだが、これはランダムでも,その日見かけた話題でも,継続的にテーマ引きでも構わない。
時々事典をアイウエオ順/アルファベット順に読んでいく人がいるが、それより自分の関心/気まぐれに応じて、あちこち飛ぶほうがよい。
2.予測引き
事典は、自分が知っている(と思い込んでいる)項目を引くのが楽しく、また栄養になる。
少しでもその形に近づけるように、たとえ知らない項目を引く場合でも,どんなことが書いてあるかを、あらかじめ想像してから引くといい。
この場合、箇条書き程度のメモでもいいから、予測を書き留めておく方が効き目がある。
予測を終えたら事典を引いて,書き留めた予測と比較する。
事典と予測のどちらにも登場した事項,事典にあるが予測にはあがらなかった事項,予測にあるが事典に登場しない事項を,それぞれ色分けする。
これも記録を残こすこと。
「本日の百科事典」と組み合わせて、予想と実際をログとして残しておくといい。
3.対比要約
アカデミック・ライティングの教科書に載っていたもの。
同じ項目を、複数の事典で引いてくる。
複数の事典からのデータを突き合わせて、相違点と共通点を確認して取捨選択し、ひとつにまとめる/要約する。
このとき「引用」は禁止。言い回しは変えること。
初めてやるときは、誰か人物について引くといい。フォーマットが安定しているので、要約しやすい。
実戦向きなのがお望みなら、自分が取り組んでいるトピックや分野を複数の事典で引いて、突き合わせ、要約をつくるといい。
アカデミック・ライティングの教科書に載っていたと言ったが、これは論文を書く基礎トレーニングである。
英語の教科書は、それまで初等・中等教育でどんな作文教育を受けてきたかを前提にしない(いろんな国で使われる可能性があるから)。つまり1から必要なスキルは身につけられるように構成されている。
英語が母語でない人が、英語の論文を書く事前トレーニングとして、英語で書かれた百科事典から要約をつくるという練習が設けられる。
百科事典の項目は、論文よりも、いわんや書物よりも短く、また一般向けに書かれていることが多いので、先行の研究論文を要約しなければならなくなる前に、こうしたトレーニングが用意されているのである。
百科事典を専門事典やハンドブックに置き換えていくことで、より専門的文献に近づけたトレーニングとなる。
4.項目執筆
アクティビティの最終段階には、百科事典の項目を〈自作〉することが上がる。
当然、調べものして書く。
どの項目について書くかを決め、複数の百科事典で該当項目(目下のライバルたち)を読み込み、一方で自分でも文献を集める。
最初は,日本百科全書の参考文献リストがついている項目についてやってみるといいだろう。
もちろん百科事典の参考文献リストは、調べ物のきっかけにはなるが、不十分である。
さらに調査の範囲と深さを進めていくことになる。
百科事典が成立した時点より《未来》に書かれた文献も、百科事典が示した文献を直接ないし間接的に参照・引用している可能性がある。
被引用関係をたどることで、そうした文献にも到達できる。
もちろん別のレファレンスツールも使って、文献を探す。
入手した文献が参照する文献へも、芋づる式で進む。
これを取捨選択して追加して行けば、文献リストはさらに育っていく。
自分の疑問や知りたいことを最終的に文献リストに変換することができるようになれば、その人は独学者となったと言って良い。
文献調査の筋が外れていないなら、ある程度進むと、百科事典の項目のそれぞれについて、どの部分がどの文献に依拠して書かれているかを推測できるようになる。
この頃になると、あなたの知識は、最初に見た百科事典の項目を越えている。
さて自分でも、百科事典の項目を書き始めよう。
書き始めると、理解があやふやな部分、調査が不十分なところが明らかになる。
当たり前なのであまり口にされないことだが、書かないと読めるようにならない。
一度、製作者側に回った経験は、ユーザーとしてのレベルを格段に高める。
読み飛ばしていた百科事典の項目について、いかに多くを見落としていたか、どれだけの情報が含まれているかを理解できるようになる。
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