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2011.10.10
自分の脳だけでは扱いが難しい量/複雑さの資料を取り扱う方法
1.アタマを使わなければならない場面では、アタマだけで考えていては答えにたどり着かないことが多い
人のアタマのささやかなワーキングメモリは、あきれるほど小さい。
同時に取り扱うには多すぎる事態にすぐに陥る。
考えるためには補助用具(ワーキングメモリの補助)が必要だ。
といっても、紙とえんぴつがあれば足りる場面が結構多い。
2.なぜ考えているとはいえないか?
逆に手を動かさないならば、
自分では「悩んでいる」つもりでも、それではただ「困っている」に過ぎない。
考えるとは、頭に浮かぶ連想をただ追いかけることではない。
3.一般的な忠告としては「考えるかわりに手を動かせ」
一般的忠告としては、「行き詰ったら、手を動かせ」
しかし忠告というのは、一般的過ぎて、何をすべきかを知らせてくれるが、どのようにすべきかについての情報は含まれない。
忠告はそれだけでは、ほとんどの場合、役に立たない。
補完することが必要。
4.多くの場合使えるであろう、考えるための4つの手作業
いくつか具体的な提案を行う。
アタマだけで考えるには複雑すぎる問題(=考えるに足る問題)や素材を取り扱うのに役立つ。
4つの作業はそれぞれ、他の作業の前処理に使える。
これらの手作業は、「知人にあったら会釈する」のと同じレベルで、習慣化すべき。
一覧する=扱っている情報すべてを一目で見ることができるようにする
1,一覧づくりは、分析のアルファにしてオメガである。
2.まずすべての情報をともに見ることができるようにすることが、分析のスタートになる。
ここで予断を入れて、最初からグループ分けすると、気付くものも気付かなくなる。
3.一覧は、分析の終着点でもある。
分析した結果は、一目で見ることができるように/一枚にまとめられる。
4.しかし扱っている情報/資料の数が増えれば増えるほど、一覧性は損なわれる。
一目で/いっしょに見ることは難しくなる。
5.リストにして並べて一覧できるのは、せいぜい2~30個である。
それを越えると一次元に並べるよりも、二次元上に展開する方が見やすくなる。
6.さらに数が増えると、各項目をカードにして、壁に貼り付ける/床にばらまく方が取り扱いやすい。
しかしこれも、数百個ぐらいになると一望できる範囲を越えていく。
7.短期記憶だけでなく、周辺視の点からも、一望できる域を越えていくと、いよいよ圧縮する=グルーピング、ラベル(タグ)付けを導入しなくてはならなくなる。
圧縮する=要約する、ラベル(タグ)をつけるなどを含む
1.多い目の情報を扱うと、すぐに一望可能限界を超える。
2.なんらかの圧縮によって、一望可能性を回復する。
3.要約=大意をとりまとめる。枝葉を切り落とし幹(主だった内容、重要な点)だけを残す。
何が重要かは、その情報を見るだけではわからないときがある。
他の情報との関係が見えてきてから、時には他の情報をつき合わすことによって、重要性が明らかになることもある。
こうした場合は、変形する、突合するを先に行う。
4.ラベル(タグ)つけ=複数の情報をひとまとめにする=情報の個数を減らす
変形する=〈写し〉かえる、並び替える(ソートする)、再配置するなどを含む
1.先の「一覧する」では、とにかく全部が見えるようにせよ、というばかりで、どのように並べるかについては踏み込まなかった。
2.分類から変形へ
一望することで関係が見えてくれば、発見された関係を軸に、情報を再配置することになる。
3.変形から分類へ
逆に、情報の配置を変えることで、今まで見えなかった関係が見えてくることもある。
4.変形から突合へ
複数の系列を突合するためには、それぞれを系列として整序する必要がある。
5.機械的にソートする
たとえば「出来事」的な情報は、時系列で整理できる。
複数の情報源から得た雑多な情報を、年表(タイムライン)にまとめる。
時間的前後関係は、因果関係の必要条件になる。
整序することで、他の整序した情報と突き合わせることも可能になる。
6.分類(ラベル、タグ)に基づきソートする→同種のものが集まる
7.平面(2次元)に配置する
二項対立から4分割へ
共変関係は、因果関係の条件
8.意外に役立つのが、ただ写す(写しかえる)こと
同じ配置(並べ方)で写しても、アタマを一度通してみると
関係や分類や配置(並べ方)が思い浮かぶことがある。
アウトラインにまとめたら、コピペでなく、あえて書き写してみる。
KJ法だとKJ-A(平面上でグルーピング・プロット)からKJ-B(文章にする=1次元上に再配置)に写すところが肝
突合する=合成する、比較するなどを含む
1.分析の要
新しいものが生まれるとしたら、このプロセス以外にない。
これ以外の作業は、この作業の準備か後始末(フォローアップ)でしかない。
2.異なる情報源からの情報を結びつけ、以下の処理を行う。
3.対比する
どこが同じか? → 共通点を抽出する
どこが違うか? →相違点を抽出する
4.合成する
同じ部分でつなぐ
多面的な見方
5.マトリクスにまとめる
一面では合成のため
一面では比較・対比のため
再び一覧する=圧縮、変形、突合の結果を、人目でみることができるようにする → 必要なだけ繰り返し
(関連記事)
人文系の書き方/資料志向と論旨・構成志向を往復する

人のアタマのささやかなワーキングメモリは、あきれるほど小さい。
同時に取り扱うには多すぎる事態にすぐに陥る。
考えるためには補助用具(ワーキングメモリの補助)が必要だ。
といっても、紙とえんぴつがあれば足りる場面が結構多い。
2.なぜ考えているとはいえないか?
逆に手を動かさないならば、
自分では「悩んでいる」つもりでも、それではただ「困っている」に過ぎない。
考えるとは、頭に浮かぶ連想をただ追いかけることではない。
3.一般的な忠告としては「考えるかわりに手を動かせ」
一般的忠告としては、「行き詰ったら、手を動かせ」
しかし忠告というのは、一般的過ぎて、何をすべきかを知らせてくれるが、どのようにすべきかについての情報は含まれない。
忠告はそれだけでは、ほとんどの場合、役に立たない。
補完することが必要。
4.多くの場合使えるであろう、考えるための4つの手作業
いくつか具体的な提案を行う。
アタマだけで考えるには複雑すぎる問題(=考えるに足る問題)や素材を取り扱うのに役立つ。
4つの作業はそれぞれ、他の作業の前処理に使える。
これらの手作業は、「知人にあったら会釈する」のと同じレベルで、習慣化すべき。
一覧する=扱っている情報すべてを一目で見ることができるようにする
1,一覧づくりは、分析のアルファにしてオメガである。
2.まずすべての情報をともに見ることができるようにすることが、分析のスタートになる。
ここで予断を入れて、最初からグループ分けすると、気付くものも気付かなくなる。
3.一覧は、分析の終着点でもある。
分析した結果は、一目で見ることができるように/一枚にまとめられる。
4.しかし扱っている情報/資料の数が増えれば増えるほど、一覧性は損なわれる。
一目で/いっしょに見ることは難しくなる。
5.リストにして並べて一覧できるのは、せいぜい2~30個である。
それを越えると一次元に並べるよりも、二次元上に展開する方が見やすくなる。
6.さらに数が増えると、各項目をカードにして、壁に貼り付ける/床にばらまく方が取り扱いやすい。
しかしこれも、数百個ぐらいになると一望できる範囲を越えていく。
7.短期記憶だけでなく、周辺視の点からも、一望できる域を越えていくと、いよいよ圧縮する=グルーピング、ラベル(タグ)付けを導入しなくてはならなくなる。
圧縮する=要約する、ラベル(タグ)をつけるなどを含む
1.多い目の情報を扱うと、すぐに一望可能限界を超える。
2.なんらかの圧縮によって、一望可能性を回復する。
3.要約=大意をとりまとめる。枝葉を切り落とし幹(主だった内容、重要な点)だけを残す。
何が重要かは、その情報を見るだけではわからないときがある。
他の情報との関係が見えてきてから、時には他の情報をつき合わすことによって、重要性が明らかになることもある。
こうした場合は、変形する、突合するを先に行う。
4.ラベル(タグ)つけ=複数の情報をひとまとめにする=情報の個数を減らす
変形する=〈写し〉かえる、並び替える(ソートする)、再配置するなどを含む
1.先の「一覧する」では、とにかく全部が見えるようにせよ、というばかりで、どのように並べるかについては踏み込まなかった。
2.分類から変形へ
一望することで関係が見えてくれば、発見された関係を軸に、情報を再配置することになる。
3.変形から分類へ
逆に、情報の配置を変えることで、今まで見えなかった関係が見えてくることもある。
4.変形から突合へ
複数の系列を突合するためには、それぞれを系列として整序する必要がある。
5.機械的にソートする
たとえば「出来事」的な情報は、時系列で整理できる。
複数の情報源から得た雑多な情報を、年表(タイムライン)にまとめる。
時間的前後関係は、因果関係の必要条件になる。
整序することで、他の整序した情報と突き合わせることも可能になる。
6.分類(ラベル、タグ)に基づきソートする→同種のものが集まる
7.平面(2次元)に配置する
二項対立から4分割へ
共変関係は、因果関係の条件
8.意外に役立つのが、ただ写す(写しかえる)こと
同じ配置(並べ方)で写しても、アタマを一度通してみると
関係や分類や配置(並べ方)が思い浮かぶことがある。
アウトラインにまとめたら、コピペでなく、あえて書き写してみる。
KJ法だとKJ-A(平面上でグルーピング・プロット)からKJ-B(文章にする=1次元上に再配置)に写すところが肝
突合する=合成する、比較するなどを含む
1.分析の要
新しいものが生まれるとしたら、このプロセス以外にない。
これ以外の作業は、この作業の準備か後始末(フォローアップ)でしかない。
2.異なる情報源からの情報を結びつけ、以下の処理を行う。
3.対比する
どこが同じか? → 共通点を抽出する
どこが違うか? →相違点を抽出する
4.合成する
同じ部分でつなぐ
多面的な見方
5.マトリクスにまとめる
一面では合成のため
一面では比較・対比のため
再び一覧する=圧縮、変形、突合の結果を、人目でみることができるようにする → 必要なだけ繰り返し
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