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     自分をコントロールすることは難しい。

     たとえば、眠ろうと努力すればするほど、それに躍起になることで神経は興奮し、ますます眠りから遠ざかる。


     誰でも、あまり躍起になってしまうのはマズいと分かってはいるのだが、人は何かをしない努力は苦手である。

     緊張していることに注意が捕まると、それを何とかしなきゃと躍起になって、ますます緊張する。

     過剰に自分の状態に注意が向いたら、引き離そうと努めるよりも、別のことに注意を向けるといい。

     
    1.自分のそばの音を聞くことから始めよう。
      自分自身が発する音(鼓動、息の音)は避けた方がよい。

    2.次に、その音よりも、自分から離れたところから聞こえてくる、音を探す。

    3.次々により遠い音を探して、そこに意識を移動させることを繰り返す。
      たとえば部屋の中にいるときは、室内の音から始めて、室外の音に、そしてより遠い音に移っていく。

    4.目を開けてはじめても、音に集中していくと、自然に目を閉じる人も多い。
      目を開けていても、やがて何も見ていない(見えるものに気を止めない)状態になる。

    5.自分の状態と、自分の周囲の状況が気にならなくなったら、手元を見ることに戻ってこよう。


     書き物していて煮詰まった時や、試験開始前や競技のスタート前のリラクゼーションなどにも役立つ。



     もっと手っ取り早くやるには、音を使う。
     たとえば鐘の音は、その実用例からもわかる通り、意識を引っ掛け振り向かせる。

     ベトナムの僧侶たちは、この音を自分に立ち返るために用いる。
     短い詩を引用しよう。

      体、言葉、心をまったく一体にして、
      鐘の音に寄せて、この気持ちを伝える。
      聞く人が乱れた心から目覚め、
      すべてのあせりと悲しみを超えるように。


     ベトナムの仏教寺院では、鐘の係の人が、上の詩を黙唱した後に、鐘の音を鳴らす。
     いや「鐘を叩く」とか「鐘を鳴らす」という言い方はせず、「鐘の音を招く」という。

     そして鐘の音を聞いた人は、思考を休め、
     三度息を吸って吐いて、次のような句を唱える。

      聴け。聴け。
      このすばらしい音が、
      私を真の自己に戻す。



    templebell.jpg



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